引き際は難しい

引き際は難しい

 本年もよろしくお願いいたします。
さて、本題に入る前に最近感じていることがあります。それはアメリカのトランプ大統領による新”ドンロー主義“のえげつないやり方に対するやり場のない怒りの感情です。ここ数年アメリカ等西側・自由主義陣営はロシアによるウクライナ侵攻を非難してきました。しかし、ベネズエラに対する現職大統領の拉致、勾留はその強引なやり口もあり、結局大国の野望・強欲の前に同国のような弱小国は抵抗できないという事実を示しました。この出来事は世界が弱肉強食化しているということを改めて思い起こさせ、国際協調などは美辞麗句に過ぎないと悲観させるのに十分なものとなりました。これではアメリカはウクライナに侵攻したロシアや台湾併合を目論む中国と何も変わらないし、非難する資格はないということになる。残念です。
 さて、今回は「引き際は難しい」というテーマとしました。何事も始めるのは易く止めるのは難しいものです。具体的には先日我が家に届いた運用報告書が悩みのもとです。そこには2023年7月に運用を始めた投資信託(日米連続高配当株式ファンド)が1,449,029円の時価評価(元本 1,000,000円)になっていると記載があります。運用2年半で実に44.9%の値上がりです。最近の日本株の最高値更新で株や投資信託を保有していた人はこのように評価益を抱えているはずです。でも、誰も処分・売却を勧める人はいません。証券会社や銀行は最近「預かり資産」営業を重視しています。昔のように回転売買で販売手数料を稼ぐ営業から預かり資産から得られる安定的な信託報酬等で稼ぐ方針です。ですから銀行等からこれだけ儲かってますよ、売却して実現益にしましょうとは決して言ってきません。結局自らの相場観・運用方針にしたがってこのまま運用を続ける・売却して実現益とする等の判断を自らするしかないことになります。(銀行等は売却すると所得税で20%取られてしまいますよと脅してくるでしょうが)結局私は半額を売却し、半額で運用を続けることにしました。いつの時代も今の相場がいつまで続くのかという問題は投資家を悩ませてきました。投資をしましょう・始めましょうという掛け声はよく聞いても実際に投資を始めたらいつが売り時なのかのアドバイスはほとんどありません。自分の投資方針、例えば将来2割値上がりしたら売却する、というような自分なりのルールを持ち、守る必要があります。やはり「引き際は難しい」のです。
                           CFP 重田 勉

子どもの金融教育の必要性

最近は現金を使うことが少なくなり、ネットショッピングやキャッシュレス決済の普及などで現金そのものの流通が減ったことから、「お金はATMから出てくるもの」と思う子どももいるようです。お金そのものへの意識が希薄化している今こそ、金融教育は非常に重要です。

~家庭でできること~
幼少期: 買い物を通してお金の有限性や使い方を教え、お小遣い制を導入して「ほしいもの」と「必要なもの」を区別させます。

まず、子どもと一緒に買い物に出かけ、大人がお金を支払う場面を見せましょう。そうすることで、必要なもの、欲しいものは無条件で手に入るのではなく、お金で買うという流れを感覚的に理解することにつながります。

次に、お金がどこから得られ、どのように使われるか、お金の流れを見せましょう。お金をATMから引き出す際には、このお金は働いた対価であること、この対価が食費や光熱費、家賃・ローンの支払いに充てられ、預貯金にも回るなど、欲しいものを買う以外にも、暮らしに欠かせない使いみちが決まっていることを大まかに理解させていきます。

ATMはいくらでも引き出せる打ち出の小づちではないことも伝えます。なぜご飯が食べられるのか、なぜ電気が点いているのかという日常の小さな疑問に結び付けて話をすると、幼い子どもでもイメージがつかみやすくなります。

小学生〜:クオカードを使ってコンビニで少額の買い物を体験させ、レシートで残高を確認する習慣をつけたり、家計の仕組みに関心を持たせたりします。足し算引き算ができるような年齢になったら、おこづかい帳のつけ方を教えるのもいいでしょう。

キャッシュレス決済が主流となり、現金のやり取りを目の当たりにする機会が少ない子どもも増えています。クレジットカードやネットショッピングで買い物をした場合でも、使ったお金は銀行口座から引き落とされて、その分だけ残高が減ることも伝えましょう。

~お小遣いを自分で管理し、お金の使い方を実践で学ぶ~
お金の流れが理解できたら、お小遣いを渡して自分で管理させることを実践してみましょう。洗濯物をたたむ、食卓のテーブルを拭くといったお手伝いの対価としてお小遣いを渡すことで、「お金は働いた成果として得られるもの」という意識を、経験をとおして持ちやすくなります。

出所:ベネッセ教育総合研究所

小学生の毎月決まった金額ではお小遣いを渡していない42%の中には、お手伝いの対価や勉強や習い事などを頑張ったご褒美として不定期に渡しているというご家庭もいるかもしれません。

~お年玉の相場も見てみましょう~
未就学児(幼児): 500円~1,000円、3,000円まで
小学生(低学年:1~3年生): 1,000円~3,000円
小学生(高学年:4~6年生): 3,000円~5,000円
中学生: 3,000円~1万円(5,000円がボリュームゾーン)
高校生: 5,000円~1万円(1万円が多め)
大学生・専門学生: 1万円程度(渡さない場合も多い)

私は弟に子どもの頃プレゼントをしたことはなかったのですが、小6の孫(お姉ちゃん)は貯まった貯金から弟に「箱そば」をごちそうしたりするらしいので感心しています。

FPみらいでは子どもの金融教育のために、独自のおこづかいゲームを行なっております。

対象は小学生で、金融庁のうんこドリルを一緒に行ないその後ゲームをします。
ゲームでは最初に3,000円のお年玉をもらって、サイコロを振って進んで行きます。途中「必要な物を買う」場面や「欲しい物を買うか買わないか決める」場面や「他の人のためにお金を使う」場面など出てきます。
1,000円で1,200円分の買い物ができるお得なカードが買えるチャンスがあったり、おこづかいをもらえるマスやお菓子をもらえるマスがあったり、大盛り上がりです。

~金融教育が必要な理由~
生きる力・自立に必要なスキル: お金の管理は、安定した生活を送る上で必須であり、人生の選択肢を広げる基盤となります。
金融リテラシーの向上: 経済の仕組みや社会とのつながりを理解し、正しい知識と判断力を身につけることで、将来の職業選択や自己実現に役立ちます。
金銭トラブルの防止: 詐欺や不正な金融商品から身を守るための防御力となり、巧妙化する悪質商法にも惑わされにくくなります。
資産形成への意識: 限りあるお金をどう使うか考え、将来のために計画的にお金を準備する習慣が身につきます。

金融教育は、単にお金を貯めるだけでなく、お金を通じて社会や経済を理解し、主体的に人生を切り開く力を育むための重要な教育です。お金のことはなかなかシビアで口にしにくいですが、ゲームを通じて楽しく学ぶというFPみらいの「おこづかいゲーム」にぜひ参加して、子どもの金融教育に役立ててもらえたら幸いです。
   

 CFP 佐藤 広子

2026 年NISAの改定はどうなる?

2024 年から始まった新NISA制度ですが、来年は変わるかもしれません。
これから審議を経て決定されるのですが、金融庁の要望事項は下記の通りです。
NISA 対象商品の拡充を含む制度の充実
【現状及び問題点】
○NISAの抜本的拡充・恒久化等に伴い、若年層を含め、幅広い世代や所得階層にわたってNISAの利用が広がっている。
○NISA の普及をさらに進め、これから資産形成を始めようとする若年層や高齢層などを含め、あらゆる世代の長期・安定的な資産形成を支援するためには、対象商品の拡充を含め、NISAの一層の充実を図る必要。
【要望事項】
あらゆる世代が自身のライフプランに沿った形で資産形成を行えるよう、対象商品の拡充を含め、NISA の一層 の充実のための措置を講ずること

出典:金融庁2025年8月 令和8(2026)年度 税制改正要望についてより抜粋

①のこども支援の一環として、つみたて投資枠における対象年齢などの見直しは、 こども家庭庁との共同要望で、現在は成人した人しかNISAを活用できません。旧NISAの時はジュニア NISA という制度がありましたが、新 NISA 発足と同時に、新規開設は不可となった経過があります。
今回の要望では、つみたて投資枠のなかだけで、年齢制限が緩和されるものと思われます。
金額にもよりますが、成人してからの積み立てより、長期間の積み立てになるので複利効果が大きく、資産形成に大きく寄与するものと思われます。
例えば全世界インデックス投信(長期平均利回り5% *1)と仮定
*1 「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の参考値(2010年11月~2025年11月):年利約8.04%なので、ムチャな利回り数字ではありません。

子供の誕生0歳から毎年暦年贈与限度額の110万以内で毎月9万円を毎月積み立て生涯投資非課税限度額となる1,800万円に近くなるとなる15歳まで続けるとなると、16年間で累計投資額が1728万円となります。その後は新規積み立ては一切せずにそのまま保有しているだけで30歳時に5,432万円、40歳時に8,840万円、50歳時には1億4,413万円、 60歳時にはなんと2億3,478 万円にもなります。

②の様々な資産運用ニーズに応えるための、対象商品の拡充においては、今の制度や運用商品は資産形成層を主なターゲットにした制度設計となっているため毎月分配型の投資信託などは、対象商品から除外されています。
高齢者にとっては、2 か月に一回支給される年金に加えて、毎月分配金が入ってくるような商品ニーズは高いです。

③の投資商品の入替えをしやすくするための、非課税保有限度額の当年中の復活については現行 NISA では 1 月に売って、違う商品に変えようとすると、来年にならないと枠の復活はしないため、1年間近く運用できない期間が生じてしまいます。
これを、翌年まで待たずに入替できるような制度にしようとすることです。
当初、即時復活と聞いて、NISA を使ってデイトレードみたいにできるのかとの誤解された人もいたようですが、デイトレでの資産形成などを目指した制度ではないので、今後の議論にもよりますが、 年内の入替の回数制限や提言にある「非課税保有限度額」ということばが生涯保有の非課税限度額1800 万円を指しているのか、年間の非課税保有限度額360 万円を指しているのかもよくわかりません。

いずれにしろ、年内に具体案をまとめて来年の国会審議を得てからの実行ということでしょうから、実施時期は、制度変更に合わせて、金融機関のシステム変更対応などもあるため、2027 年以降になると想定されます。

CFP 磯野正美

知らなきゃ損!小規模宅地特例で相続税がこんなに減る!

最近の相続事情
近年の地価上昇や不動産価格の高騰・日経平均株価の上昇を背景に、個人が保有する財産の価値が高まっており、相続財産の中で不動産・有価証券が占める割合が増えています。このため相続財産額が基礎控除内で収まらず相 続税の負担増加が問題となっています。
国税庁が公表している「報道発表資料 令和5年分 相続税の申告実績の概要」によると、課税対 象になる被相続人は、死亡者数1,576,016人の内、9.9%にあたる155,740人、10人のうち1人 が相続税の対象になっています。
相続財産の金額の構成で一番多いのは「現金・預貯金」で、全体の35.1%を占め、次に土地31.5%、 有価証券17.1%、家屋5.0%と続きます。以下では、相続財産の土地の評価額を下げる特例を紹 介します。
『小規模宅地特例』ってなに?
『小規模宅地特例』という言葉を聞いたことがありますか?正確には、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」という名称です。
被相続人の自宅や事業に使用していた宅地等の財産は、通常の取引価額を基準に計算した評価額をそのまま相続税の計算に適用すると相続税が高額になり、相続人は、納税資金を確保するために自宅や事業用の不動産を売却しなければ相続税を支払えなくなることも考えられます。
そこで一定の要件を満たした宅地等については、限度面積まで80%又は50%引きの評価額で相続税を計算することができる特例です。相続税の負担を軽減することで、配偶者や残された家族がその家に住み続け、また事業を継続できるように創設された制度です。
対象になる土地の種類
小規模宅地等の特例の対象となる宅地等は大きく分けて、被相続人が相続開始直前の利用区分に応じて以下の4つに分類されます。小規模宅地等の特例は、あくまでも相続税の納税のために事業用や居住用の土地を手放すような事態を防ぐための制度なので、大きな面積の土地までは税制面で援助する必要はないという考え方のもと、特例を適用できる面積の上限と減額割合が宅地の利用区分に応じて下記のように定められています。たとえば、居住用の土地なら 330 ㎡まで80%減額できます。
特定居住用宅地等:被相続人の自宅として使っていた宅地等に対する特例
特定事業用宅地等:被相続人の個人事業(貸付用を除く)として使っていた宅地等に対する特例
特定同族会社事業用宅地等:被相続人の会社(同族会社)として使っていた宅地等に対する特例
貸付事業用宅地等:被相続人が貸地又は貸家など貸付用としていた宅地等に対する特例

上記表記載の限度面積を超えた分については、小規模宅地等の特例による減額は適用されません。
相続する宅地が複数あり限度面積を超える場合は、なるべく1㎡単価の高い宅地から適用を受けるとよりお得な特例の恩恵が受けることができます。
特例の対象宅地が複数ある場合、居住用の宅地と事業用の宅地はそのまま併用が可能です。あわせて730㎡まで80%減額できるのです。一方で、賃貸不動産の敷地は他の宅地とそのまま併用できず限度面積の計算を行う必要があります。
特例を使うことができるのは?[特定居住用宅地等のケース]
今回は、被相続人が居住用として使用していた宅地を相続や遺贈で取得した場合についてご説明します。以下の適用対象者が、要件を全て満たすことで特例を使うことが出来ます。
①配偶者 ②同居親族 ③別居親族(いわゆる家なき子)です。
この特例を適用するための要件はとても重要で対象者によって要件も変わりますので、しっかりと確認しておくことがポイントになります。

特例を適用した場合の土地の評価額がどう変わる?
下記表で3つの例を示します。
① 土地の面積が330㎡以下場合
② 土地の面積が330㎡超の場合
③土地の面積が330㎡超の一つの土地を2人で相続する場合

➢この特例を適用した場合の相続税額の減額例

相続税額が、なんと約1/10になりました。土地の評価額が大幅に下がるので、相続税の負担も顕著に軽減されます。特に都市部の高価格宅地ほど、節税効果が大きくなります。これほど、相続税を減らすことのできる特例ですが利用する際に留意する点がいくつかあります。

➢特例を利用する際に気を付けておくポイント
① 相続発生時に被相続人が、老人ホームに入居していた場合は、以下の要件を満たしていれば、この特例を使うことが出来ます。
・亡くなる時点で要介護認定や要支援認定、障害支援区分の認定を受けていること(有効期限が切れていないことに注意)
・入居している老人ホームが「老人福祉法等に法令の規程に基づく施設」であること
・被相続人が上記の施設に入所後、その宅地等が事業用又は新たに被相続人等以外の人の居住用になっていないこと
② 親子で2世帯住宅に住んでいた場合、建物が共有登記であること。区分所有登記だと同居しているとはみなされず特例を使えません。
③ 生前に相続時課税精算制度を利用して、この土地を贈与されていた場合は使えません。
④ 小規模宅地等の特例は、宅地等の取得者が決まっていないと適用をすることができません。
遺言によって宅地等の取得者が決まっていれば、問題ありませんが、遺言がない場合には、遺産分割協議によって財産の取得者を決める必要があります。遺産分割がまとまらない場合、とりあえず申告期限内に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して申告し、3年以内に分割できたときにこの特例を適用することができます。
⑤ 分譲マンションでも所有する土地部分には特例を使用することができます。ただし、分譲マンションの場合は、マンション全体の土地を所有者全員で分けて所有しているので該当する土地の大きさもその分小さくなります。そのため、戸建てに比べれば、相続税評価額に適用される金額の恩恵は小さくなると考えられます。

いくつかのポイントを記載しました。この特例の要件は非常に細かく決められていて複雑な上に多くの提出書類が必要です。また、小規模宅地等の特例の要件は亡くなると亡くなったの状況で判断します。更にその要件はたびたび税制改正されており特例が適用されないこともあるので、早めに将来の相続のことを考えて、現在の状況で小規模宅地等の特例を受けられるのか、または特例を受けられるようにするためにはどのような方法があるのか相続に詳しい税理士に早めに相談してみることをおすすめします。

➢まずは、相続財産を確認することから始めましょう!
まずは、相続財産に土地が含まれているならば、被相続人の居住している土地の評価額を含めた全体の財産額を確認しましょう。そもそも財産額が基礎控除額を下回る場合は、相続税がかからないので、特例を受ける必要はありません。基礎控除額を超えそうならば、このブログを参考にされてご準備ください。この相続税優遇特例=「小規模宅地等の特例」を使って相続税がゼロになった場合でも相続税を申告する必要があります。

2025年10月 CFP 石黒貴子

【参考サイト】
・相続税を計算するための土地の評価方法・・・No.4602 土地家屋の評価|国税庁
・相財産を相続した場合の税金の計算と相続税の速算表・・・財産を相続したとき|国税庁

介護離職をしないために ~初動のポイントは介護休業の使い方&一人で抱え込まないこと~

1.はじめに
厚生労働省の雇用動向調査によると、2023年に離職した人は約798.1万人、そのうち個人的理由で離職した人は 約591.6 万人でした。個人的理由で離職した人のうち「介護・看護」を理由とする人は約7.3万人で、2000(平成12) 年と比べて約2倍の人数となっています。(図1)男女別で見ると女性が約77%を占めており、年代別では50歳代が最も多くなっています。(図2)
働き盛りの現役世代が離職をすることは、本人やご家族はもちろん、企業、そして社会全体にとって大きな損失をも たらします。こうした介護離職者の増加に伴い、育児や出産をする人に対しての制度改正が行われてきたように、仕 事と介護を両立できる支援策が強化されつつあります。

2.介護離職のリスクと実情
・収入減少と支出増加
退職によって収入が途絶え、自身の生活費と介護に必要な費用が家計を圧迫します。(介護費用は親のお財布から、が基本ですが、介護には継続して出費がかさみます)
退職しなかった場合と比べ、将来受け取る年金が減る可能性があります。
・経済面・肉体面・精神面の負担増加
介護を理由に仕事を辞めても、経済面、肉体面、精神面、いずれも負担が増すという調査があります。介護によるストレスや体力の消耗に、孤独感や不安が加わります。

・再就職の難しさ
特に中高年では、再就職が困難になる傾向もみられます。また、再就職をした場合でも、再就職前と比べ収入ダウンとなるケースも多いようです。

3.介護休業制度の基礎知識
介護休業制度は、1995年6月に運用が開始されました。その後、1999年に改正された「育児・介護休業法」に基 づき仕事と介護の両立支援制度となりました。雇用されている従業員や家族の介護で休業できる権利や給付金、雇 用維持について定めているものです。2000年から始まった公的介護サービス給付制度の「介護保険制度」が介護される人への支援であるのに対し、介護をする家族などに対する制度となっています。
「育児・介護休業法は」今年4月にも改正が行われ、仕事と介護の両立支援制度がさらに強化されました。介護を 理由に仕事を休めることが法律で定められているものの周知されていない現実を踏まえ、介護に直面する前の早い 段階(40歳等)での情報提供、支援を必要としている方への個別周知や利用の意向確認など、事業主に対し、雇用 環境整備措置が義務化されました。なお、介護者に対する不当な降格や解雇・配置転換などの不利益な取り扱い が禁止されている事も知っておきたい点です。

4.介護で離職しないために
介護に直面したときに大切なのは、「早く相談する」ことと「一人で抱え込まない」ことです。
①職場への相談・・・会社や上司に「家族等の介護を行っている」ことを伝え、必要に応じて勤務先の制度の利用申 請をする。会社によっては、法律以上に介護のための制度を充実させているところもあります。例:介護の補助 金、遠距離介護の交通費など
②公的機関への相談・・・介護される方の住所地にある「地域包括支援センター」に相談、情報収集をする。介護の専門家(保健師・社会福祉士・主任ケアマネージャーなど)が介護保険についての質問や、各自治体でのサービス の紹介・申請支援、どこに相談したらよいかわからない事柄なども細やかに対応してくれます。公的制度・支援サー ビスを活用し最初から自分で「介護をしすぎない」体制を目指しましょう。

③家族やご近所との良好な関係・・・兄弟姉妹や配偶者、子どもと情報を共有し、状況に応じて協力しあえるよう日 頃から積極的なコミュニケーションをとる。認知症の要介護者には徘徊等お世話になることもあるため、近所の 方とも日ごろからお互い様の精神で良好な関係を築きましょう。
④自分の時間を確保する・・・当事者になるとなかなか難しいことですが、介護を深刻に捉えすぎず、介護者が自分 自身の生活や健康を第一に考えることも重要です。

5.おわりに
2024 年度の生命保険文化センターの調査では、介護にかかる費用は、住宅改造や介護用ベッドの購入費など、一時的な費用の合計が平均47.2 万円、月々の費用が平均9.0 万円となっています。また、介護を行った場所別では、在宅が月平均5.3 万円、施設が月平均13.8 万円。介護を行った期間は平均55.0 ヶ月(4 年7 か月)、10 年を超えて介護した人は約16.1%となっています。いつ始まりいつまで続くか事前にわからない介護は、生活に大きな負担となります。しかし永遠に続くわけではなく、介護が終わった後もご自身の生活は続きます。親御さんの希望や懐事情の確認など今からできることは行動に移し、いざという時には一人で抱え込まず、ご自身の生活を守るためにもまずは周りに相談してみましょう。

2025年9月 CFP 依田いずみ

=参考資料=
・仕事と介護の両立 ~介護離職を防ぐために~ |厚生労働省
育児・介護休業法改正ポイントのご案内(R7.4/1から段階的に施行) 001259367.pdf
介護休業給付について ハローワークインターネットサービス – 雇用継続給付
介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?|リスクに備えるための生活設計|ひと目でわかる生活設計情報|公益財団法人 生命保険文化センター
介護休業について|介護休業制度特設サイト|厚生労働省
厚生労働省資料-3社内研修:仕事と介護の両立セミナーテキスト 001475082.pptx


『年収の壁』何がどう変わったのか 

「年収の壁」とは数年前から耳にする言葉だが、最近では昨年の衆議院選挙で国民民主党が「手取りを増やす」を選挙スローガンとして103万円の壁を取り上げたことで、皆さんの記憶にも残っていることと思う。
このブログでも2023年10月に「『年収の壁』について考える」と題して掲載したが、その後制度変更もあったので、改めて「年収の壁」について説明しよう。
年収の壁は複雑だが、ここでは極力簡潔に、分かりやすい説明とした。
年収の壁についての説明として、つぎの4点にまとめた。
1)年収の壁は一つではない。(分け方によるが7種類以上ある)
2)年収の壁は、「税金の壁」と「社会保険の壁」の大きく分けて二つある。
3)今年の税制改正で変更になったのは「税金の壁」
4)一番大きな壁は「130万円の壁」
それぞれについて説明を行おう。
1)年収の壁は一つではない
まず年収の壁とは何かということをおさらいすると、参考資料2によれば:
「手取り収入が減らないように年収を抑えようと意識する金額のボーダー
ライン」と説明されている。
ただ年収の壁と一言で言っても、壁は一つではない。下図は厚生労働省の資料(参考資料1)だが、これを見ると7種類もの壁があることが分かる。

この厚生労働省の資料は、年収の壁を3つに分類している。すなわち;
A.税金に関わる壁
B.社会保険に関わる壁
C.配偶者手当に関わる壁
  である。本ブログでは、3つのうち税金の壁と社会保険の壁の2つを
取り上げる。
2)年収の壁は、「税金の壁」と「社会保険の壁」の大きく分けて二つある
 年収が増えて、ある一定の額になると、それまで負担しなかった税金や
社会保険料が掛かかり手取り収入が減少する。そこで、働く人が手取り
収入が減らないように年収を抑えようと意識する金額が年収の壁であった。
① 税金の壁
 収入が増えて初めて税金が掛かるのは、実は住民税(所得割)だ。
給与所得者にとって住民税が掛かるボーダーラインの収入は100万円である。
(住んでいる地域により多少異なる)《税制改正前の額》
住民税を計算する際に必要経費として、課税限度額(45万円)と給与所得控除
(55万円)の合計額である100万円までは、住民税は掛からない。
言い換えれば、100万円を超える収入には住民税が掛かってくる。

収入が増えて次に税金として掛かるのは所得税だ。所得税も住民税と同様に
一定の収入までは掛からない。

所得税の場合の必要経費(控除額)は、基礎控除(48万円)と
給与所得控除(35万円)の合計の103万円である。《税制改正前の金額》
つまり103万円までの収入には所得税は掛からない。裏を返せば
103万円を超えると所得税が掛かるところから、『103万円の壁』
と呼ばれていた。
② 社会保険の壁
 103万円から、さらに収入が増えて106万円以上となると働いている
会社の規模等により社会保険が掛かかってくる。
パートで働く主婦やアルバイトの学生では、106万円以下の収入であれば
ご主人や親の扶養内であり、自ら社会保険を負担しなくとも良かったものが
106万円以上の収入となると自分で負担することとなる。
 実は、この社会保険料の負担が税金の負担に比べて、格段に多い。
これも厚生労働省の資料からの引用だが、およそ15%手取りが減少する
試算が示されている。(参考資料2より)

所得税で比較してみると、収入が103万円から106万円に増えても1500円
程度しか増えないが、社会保険料は一気に収入の15%減少してしまう。
もちろん社会保険料を納めることで、将来の年金が増えるとか、怪我や病気
をした際に傷病手当金をもらえるなどのメリットはある。
だがパートで働く主婦やアルバイトの学生にとっては、このメリットよりも
目先の手取り額が優先される結果、働きびかえが起きることになる。
3)今年の税制改革で変更になったのは「税金の壁」
 昨年の衆議院議員選挙の際に国民民主党が『手取りを増やす』を
スローガンに掲げて、大幅に当選議員を増やした。
過半数割れをした政府与党(自民党・公明党)は単独で予算を国会で通すことが
出来ず、野党である国民民主党の意見を取り入れざるを得なくなった。
国民民主党の要求は、103万円から178万円へ大幅に壁を引き上げるもの
だったが、結果的に収入額により減税額が異なるものとなった。
年収200万円の方については、160万円の壁に変わった結果となった。
(資料4)
ちなみに、住民税については10万円引き上げられて110万円が課税最低収入
となった。

税金面では所得税・住民税の他に、特定親族特別控除の新設などの
目に見える変化が見られた。
一方、社会保険の壁は、従来の補助制度(資料3)はあるものの、今回制度が
変わる変更はなかった。これは社会保険料は年金制度に関わる事項でもある
ので、安易に変更できないものであると推測する。
今後、年金制度改正の場で議論されるものと思われる。
4)一番大きな壁は『130万円の壁』
 前項で106万円が社会保険の壁だと説明した。106万円の壁ついては、
106万円を超えるとすべての人が社会保険料を負担する訳では無い。
詳細は参考資料2を参考にしていただきたいが、勤めている会社の規模や
週に働く時間によって負担するか否かが決まる。
 ところが年収が130万円を超えると、すべての人が社会保険を支払う義務が生じることとなる。
また各種扶養手当などが、年収130万円を境として適用するか否かの境界と
なるので、一番大きな壁は『130万円の壁』と言えるのではないだろうか。
これまで説明してきた内容を、まとめると;
 1.「年収の壁」とは、年収が一定の額を超えると税金や社会保険料の負担 
   が始まり、パートで働く主婦やアルバイトをする学生などが一定の
年収の額を超えないように、働く時間を調整すること。
年収の壁を意識して、働きびかえによる労働力不足が問題化している。
   2.「年収の壁」は100万円(昨年までの値)から掛かり始める住民税
  (所得割)、103万円(昨年までの値)から掛かる所得税があるが、
   手取り額に一番影響するのは年収106万円を超えると掛かる
社会保険料である。
   3.2025年税制改正で、住民税・所得税などは一定の引き上げが行われた
     が、社会保険の「106万円の壁」は抜本的な改正は行われていない。

  今後、最低賃金額の引き上げや社会保険について改正が行われた際には、
  年収の壁に大きく影響するので、随時ブログで説明して行きたい。

                          CFP 前川敏郎

   《参考資料》
 1.『年収の壁について知ろう』 厚生労働省
 2.「年収の壁」対策がスタート!
   パートやアルバイトはどうなる? 政府広報オンライン
 3.年収の壁・支援強化パッケージ  厚生労働省ホームページ
 4.令和7年度税制改正大綱 (自由民主党・公明党)

金融資産の終活はどうするのが良いか

 老後資金の運用や取り崩し戦略について考えるとき大切なのは「いかに資産寿命を長くするか」ということになる。長生きリスクやインフレリスクが高まっている中で寿命が来る前に資産寿命が尽きるリスクも高まってきている。
 老後資金の運用・取り崩し方で「65~70歳くらいからは投資をせず現金化して取り崩してゆく」というイメージを抱く人が多いようだが、これは勧められる戦略ではないと思う。この方法では資金を眠らせておくことになり、インフレによってその価値が目減りしてしまうことになる。では、どうすればよいのだろうか?
 「投資は生涯にわたって継続する」
 資産寿命を延ばすには、保有している投資信託等を全部売却しないで、運用を継続し生涯にわたって投資・運用を継続してゆく必要がある。この意味で改正された新NISAは非課税期間が無期限となり「生涯投資をサポートしてくれる制度になった」ので、新NISAを賢くフルに活用することで資産寿命を延ばしてゆきたい。そして大部分のNISAは投資信託を使った積み立て投資で行われていると考えられるのでこのブログではその前提で取り崩し戦略を考えたい。
 「どう取り崩してゆくのがよいか」
それは「一気に売却するのではなく、必要な分だけ取り崩す」こと。こうすることで残りの資産から資産所得が引き続き得られることになる。また、取り崩しの開始時期は多くの場合65~70歳前後の家計の収支がマイナスになる時期が適していると思われる。
定期的な取り崩し法は3つ
1、 定額解約:一定期間ごとに一定の金額で解約してゆく方法
  例、毎月5万円、毎年120万円 等
2、定率解約:一定期間ごとに保有資産残高の一定割合で解約してゆく方法
  例、毎年残高の3%、5%  等
3、定口数解約:一定期間ごとに一定の工数を解約してゆく方法
  例、毎月1万口、毎年10万口  等
定額解約は取り崩し額が常に一定なので分かりやすく計画を立てやすいというメリットがある。定率解約は一定期間ごとに保有資産残高の何%かを解約してゆくので、保有資産残高が減ってゆくのに合わせて取り崩し額も減ってゆく。このメリットのため資産寿命を延ばす効果が出る。しかし、受け取る金額が変動するため家計の管理がしづらい、基本的に保有資産残高が減ってゆくので、取り崩し金額も減ってゆき家計は苦しくなってゆく点はデメリットといえる。
3番目の定口数解約は「保有する100万口を10年間毎年1回の均等割りで解約して終了」というようにいつまでに使い切るというイメージを固めておきたい人に向いている。
ではどの方法が良いのか?
 多くの金融機関や専門家が過去の株価指数などのインデックスを基にシミュレーションしたところ、「一定期間経過後の取り崩し総額+資産残高」で優位になった順番は①定率②定額③定口数となったということです。定率解約は相場上昇時に多くの金額、下落時に少ない金額を取り崩すので投資効率が高くなる傾向があり、その特徴が優位になったと思われます。しかし、家計の管理・計画をする際には「金額が一定である」ほうが分かりやすく安心感もあります。また、株式を中心とするポートフォリオであれば中長期的に資産は成長してゆく可能性が高く、定額解約でも資産寿命を延ばす効果は期待できます。こうなると定額解約はベストではないがよりベターな選択になるのではないかと思われます。
                          CFP 重田 勉

厚生年金積立金を使った基礎年金底上げについて

~令和6(2024)年財政検証より~公的年金の所得再分配について考えてみましょう

ちまたでは、年金積立金を自分が積み立てたお金だから流用するのはけしからんと言っている人もいるようですが、年金制度はご存じの通り現役世代が支払っている年金保険料をその時の年金受給者が受け取っている賦課方式です。積立方式ではないので、けしからん!ということではありませんね。

そもそも年金積立金とは?
厚生年金・国民年金の積立金は、国民の皆様からお預かりした保険料のうち、年金給付に充てられなかったものを厚生年金保険法等に基づき、長期的な観点から、安全かつ効率的に運用し、現在及び将来の年金給付に充てることにより、年金財政を安定化させているものです。
この年金積立金は、厚生労働大臣が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に寄託することにより管理・運用されています。

厚生労働省「令和5年度 年金積立金の運用状況について」によると、公的年金の積立金額は2023年度末時点で、資産額は255兆5650億円。収益額は45兆3596億円で収益率は21.69%となっています。内訳は
■厚生年金  ・資産額:243兆478億円  ・収益額:43兆1030億円  ・収益率:21.69%
■国民年金  ・資産額:12兆5173億円  ・収益額:2兆2567億円  ・収益率:21.79%
このように、年金積立金の9割超を厚生年金の積立金が占めています。

ではなぜ、厚生年金積立金を使った基礎年金底上げ案が出てきたのでしょう。
それは、2030年代には就職氷河期世代が高齢期に入り、この世代以降は初職での非正規・無業の割合が高く、資産形成が十分にできていない人も多い。基礎年金が老後生活のよりどころとなる可能性もあり、改善は急務だからです。

2004年から始まったマクロ経済スライドですが、仕組みとしては、賃金や物価による年金額の改定率を調整して、緩やかに年金の給付水準を調整します。 具体的には、賃金や物価による改定率から、現役の被保険者の減少と平均余命の伸びに応じて算出した「スライド調整率」を差し引きます。2004~2023年頃まではデフレだったため、基礎(国民)年金は月額64,400~66,250円でした。2024年からは物価(賃金)上昇があり、月額68,000円、2025年は69,308円と上昇しています。

では次に、現在発令されているマクロ経済スライドが現行制度のままいくと所得代替率がどのくらい下がるか、また早期終了によってどれだけ所得代替率が上がるか見ていきましょう。

ところで所得代替率とは?
「所得代替率」とは、年金を受け取り始める時点(65歳)における年金額が、現役世代の手取り収入額(ボーナス込み)と比較してどのくらいの割合かを示すものです。
現在、基礎年金の給付に関して国庫負担は1/2です。また、厚生年金に関しては、基礎年金拠出金の額の
1/2を国庫が負担します。つまり、現行のマクロ経済スライドを早期に終了させ、年金難民をなくすため国庫負担増加分は年金積立金を使って、基礎年金を増やしてあげようという案です。
次の図をご覧下さい。

2004年当時所得代替率が59.3%だったのが、長年デフレが続き2024年は61.2%とむしろ上昇しました。ところが近年デフレ脱却で、物価高のインフレ期に入り、もうデフレには戻りそうにありません。このまま現行制度でいくと2057年には所得代替率が50.4%まで低下してしまいます。そこで比例(厚生)部分の調整を2026年に終了し、2036年に比例(厚生)部分と基礎(国民)部分の調整を同時に終了することにより所得代替率を56.2%まで上げることができます。受給世代の厚生(比例)財源が将来の受給世代の基礎(国民)に充てられ、世代間の調整により基礎年金の底上げが可能となるのです。

こうして、公的年金受給期には現役時代の賃金の差が縮まり、所得再分配機能が働くこととなります。.

私たちの子世代、孫世代のことです。見守っていきたいですね。 

   CFP 佐藤広子

迷惑メールとフィッシング詐欺

 みなさまは最近迷惑メールが増えたなって感じていませんか?
私のところにも過去から迷惑メールはありましたが、最近急に多くなりました。
その都度、迷惑メールに対しては、同じアドレスからのものは自動的に次回から迷惑メールフォルダーに 振分けられるよう設定しているのですが、アドレスの一部だけをランダムな文字列などにして この設定をしてもすり抜けて届くメールが多かったです。
迷惑メールのアドレスをみると最後が「.cn」で中国からのメールアドレスから配信されているようで、 この「.cn」で終わるメールアドレスは、自動的に迷惑メールフォルダーに振り分けられるようにしたいと思っていいましたが、
いろいろ検索してみて、そのような設定が出来ることがわかったので紹介します。

 私が使用しているメールソフトはMicrosoft Outlookです。
その他のメールソフトを使用している人は、別な方法になるかと思いますが
たぶん、同様な設定が可能だと思います。
以下の文章は、Microsoft Outlookを前提にした迷惑メールへの対応です。
Microsoft Outlookはメールソフトの中でも一番シェアが高いと思われるで、
この記事を見ている人の中にも使用している人も多いのではないでしょうか。

 最近、多くなった本来の会社を装った、明らかに迷惑メールでフィッシング詐欺に
とわかるものは、次回から受信フォルダーに入らずに迷惑メールフォルダーに入るように、 下記のように迷惑メールリストに登録してました。
➀メールタイトルを右クリックして、そこから迷惑メールを選び、受信拒否リストに追加
②選択項目から迷惑メールをクリック
➂出てきた対応方法から受信拒否リストを選ぶ

でも、この方法だとアドレスの一部をランダムに変えた下記のようなメールが多いと、毎回処理するのが大変です。

そこで、このアドレスの最後が「.cn」で終わるメールは中国発のメールなので、最後の文字が「.cn」で終わるものを自動的に 迷惑メールフォルダに入れることが出来ないかと方法を探してみたら下記の方法が見つかりました。
ただ、この方法は中国のサイトからネット通販などでお買い物をしている人には、正規のメールも迷惑メールに入ってしますので お勧め出来ません。


「.cn」で終わるメールを迷惑フォルダーに自動的に振り分ける方法

1.[ホーム]タブの[削除]グループの[迷惑メール]をクリックして[迷惑メールのオプション]をクリックします。

2.[迷惑メールオプション]ダイアログボックスの[インターナショナル]タブを開き、 [ブロックするトップレベルドメインリスト]ボタンをクリックします。

3.ブロックする国のトップレベルドメイン(この場合はCN)にチェックを入れて[OK]ボタンをクリックします。

最近は、証券会社を装って、早く二重認証を設定しないと・・
というメールも多いので、メール本文にあるリンク先は絶対にクリックしないようにしましょう!

CFP 磯野 正美


共働き・共育てを推進、支援する 『出生時育児休業(産後パパ育休)』と『出生後休業支援給付金』

約5年前、2020年4月に「『パパ休暇』と『育児休業社会保険料免除制度』を利用しよう!」というテーマでブログを書きました。厚生労働省が、毎年実施している「雇用均等基本調査」によると、当時、2018年の男性の育児休業取得率は、6.16%で2020年に13%にするという政府目標を掲げていました。結果的に初めて10%を超えたものの12.7%と目標未達でした。3年後の2023年には、女性の取得率84.1%にはまだまだ及びませんが、30.1%と急増で、前年対比13%上昇しました。取得期間を見ると、最多が、1ヶ月~3ヶ月未満で28%、2週間~1ヶ月未満と合わせると約半分が、2週間以上取得していることになります。5年前の取得期間は、2週間未満が71.4%を占めていたのですが、数日や2週間未満が半数以下に減少し、2週間以上の育児休業を取得する人が増えていることがわかります。状況は改善されていますが、世界各国と比較しても、まだ日本の男性の家事・育児参加率は低いのが実態です。少子高齢化が進む中、働く世代が育児や介護と両立してキャリアアップ出来るような環境の整備が急務であり、こうした社会的な背景を踏まえ、『育児・介護休業法』が継続的に改正されています。加えて、2025年4月から『雇用保険法』改正により2つの新たな育児休業給付金が創設されました。
■育児休業法関連の主な法改正
・『育児休業法』は、1991年に制定、1992年4月1日に施行されました。施行当時、法律の適用対象は常時雇用する従業員数が常時30人以上の事業所でしたが、1995年4月1日に改正され、新たに介護休業制度が創設され法律の名称が、『育児・介護休業法』に変更され、従業員数に関わらずすべての事業所が法律の適用対象となりました。
・『育児・介護休業法』には、出産や育児、介護などの理由による労働者の離職を防ぎ、男女ともに家庭と仕事を両立できる雇用環境を整備する規定が定められており、より柔軟で現代のニーズに応じた様々な制度が創設されるなどの改正が継続的に行われています。
・2023年、夫婦共同での子育て支援を推進し男性の育児休業取得率を大幅に上昇させた改正内容に、「出生時育児休業(通称「産後パパ育休」)の創設、(2022年10月1日施行)、「育児休業の分割取得」、が挙げられます。2023年4月1日には、常時雇用する労働者が1,000人を超える事業主は、男性労働者の育児休業等の取得の状況を年1回公表することが義務付けられています。
■出生時育児休業(産後パパ育休)
・出生時育児休業は、原則、男性労働者(特別養子縁組里親の場合は女性も可)が、子の出生後8週間以内(配偶者等の産後休業期間に相当)に最大4週間まで休業することができる制度で『男性版の産休』とも呼ばれています。
男性の育児休業取得促進のため、男性の取得ニーズの高い子の出生直後の時期について、従来の育児休業よりも柔軟で取得しやすい枠組みの休業として追加して制定された別の制度です。
・出生時育児休業は、原則、休業の2週間前までに申し出ることで休暇を取得できます。初めにまとめて申し出れば、分割して2回取得することも可能です。通常の「育児休業」も2回に分割して取得することができます。このため子の出生後8週間以内に「出生時育児休業」を2回に分割して取得、その後、子が1歳となるまでに「育児休業」を2回に分割して取得すれば、合計4回に分割して休業することが可能(下記例2)になります。長期の育児休業取得の不安がある場合は、まず出生時育児休業で短期間の育児休業を試すという活用もできます。

*出生時育児休業と従来の育児休業の違いについては下記表ご参照ください。

・出生時育児休業期間中の就業は、認められていますが、労使協定を締結している場合に限り、労働者と事業主の合意した範囲内で、事前に調整した上で休業中に就業することを可能とするものです。この就業に関しては、労働者又は使用者の都合で自由に行えるものではなく、事前の手続きを経る必要があるなどかなり細かいルールがあります。
【出生時育児休業期間中に就業するための手順】
①労働者が就業してもよい場合は、事業主にその条件を申出
②事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示
(候補日等がない(就業させることを希望しない)場合はその旨)
③労働者が同意
④事業主が通知
【出生時育児休業期間中に就業するための要件】
・就業日数(時間数)の合計は、休業期間中の総所定労働日数(時間数)の半分以下とすること
・休業開始日と終了日については、所定労働時間に対しフルタイム就業不可(一部就業は可)
・所定労働時間を超えて労働しないこと(所定外残業は一切禁止)

■育児休業等給付
・『育児・介護休業法』により労働者(日々雇用される人期間を定めて雇用される人(有期契約労働者)で、一定の条件を満たせない人・労使協定により、育児休業の対象から外された人を除く)は、その養育する1歳に満たない子について、事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができますが、その期間中は、「ノーワーク・ノーペイの原則」によって無給であることが一般的なので経済的不安があります。育児期間中の収入減を補う目的で支給されるのが育児休業等給付です。
・育児休業等給付は、『雇用保険法』に基づき支給されるもので、雇用保険に一定期間加入している加入者が受給対象者です。育児休業期間に、子の年齢や養育の状況に応じて、要件を満たす場合に「育児休業給付金」「出生時育児休業金」が支給されます。支給額は、休業開始から通算180日までは休業開始時賃金日額の67%、180日経過後は50%です。[※休業開始時賃金日額は、原則として、育児休業開始前6か月間の総支給額(賞与は除く)を180で除した額]
さらに『雇用保険法』の改正により、2025年4月1日から「出生後休業支援給付金」、「育児時短就業給付金」が創設されました。育児休業中の給付金が充実することで、特に男性の育児休業取得の促進が期待されています。
■出生後休業支援給付金
・同一の子の出生直後の対象期間(※1)に、両親とも出生時育児休業および育児休業を通算して14日以上取得した場合、28日間を上限に出生後休業支援給付金として(出生時)育児休業給付金にプラスして13%の上乗せ支給を申請できます。なお、子の出生日の翌日時点で、「配偶者(妻)が産後休業期間中」である場合や「配偶者が就業していない(妻が専業主婦である場合など)」「配偶者が自営業やフリーランスで働いて雇用される労働者でない」もしくは「ひとり親の場合」などの事由に該当している場合は、両親ともに(出生時)育児休業を取得していなくても、申請することができます。
・支給額は、休業開始時賃金日額(※2)×14日以上休業した期間の日数(上限28日)×13%
・一般的に、給与の総支給額から社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)と所得税を控除した後の手取り額は支給総額の約80%と言われているので、支給される給付金は非課税であり、育児休業中は一定の要件の下に申請により社会保険料が免除されるため、「出生後休業支援給付金」(給付率13%)と(出生時)育児休業給付金(給付率67%)を活用して給付率80%となれば、実質的な手取り額は、変わらないということになります。

※1「対象期間」
・被保険者が産後休業をしていない場合(被保険者が父親または子が養子の場合)は、「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間。                     (下記表の例1、例2参照)
・ 被保険者が産後休業をした場合(被保険者が母親、かつ、子が養子でない場合)は、「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して16週間を経過する日の翌日」までの期間。(下記表の例3、例4参照)
・施行日の2025年4月1日より前から引き続いて育児休業をしている場合は、下線部分を「2025年4月1日」として要件を確認します。対象期間が施行日をまたぐかどうかが重要なポイントになります。具体的には、産後休業をしていない場合(主に男性の場合)は、2025年2月17日以降、産後休業している女性の場合は、2024年12月23日以降に出生日または出産予定日の遅い日がある場合に支給対象になる可能性があります。(ハローワークでご確認ください。)


※2「休業開始時賃金日額」には上限額が設定されているので、必ずしも実際の休業前賃金額に対して手取り額が変わらないとは限りません。(2024年4月1日時点:15,690円(毎年8月1日に改定))目安として月収47万円以上の方ですと、実質的な手取り額は、減少します。

◆2022年10月施行された育児休業「出生時育児休業」と2025年4月1日に施行された「出生後休業支援給付金」をご紹介しました。2024年の『育児・介護休業法』改正には、男女とも仕事と育児・介護を両立できるように、育児期の柔軟な働き方を実現するための措置の拡充や介護離職防止のための雇用環境整備、個別周知・意向確認の義務化などの内容が多く盛り込まれ、段階的に2025年4月1日から施行されています。
また、同時に『雇用保険法』も改正され育児休業取得や短時間労働の取得時の収入減の補填として「出生後休業支援給付金」・「育児時短就業給付金」の2つの給付金が創設されました。
男性の育児参加を促し、女性に偏りがちな家事・育児を見直し、女性の就業機会の拡大、出産意欲向上、男女の雇用格差の改善につながることが期待されます。男性労働者の育児休業取得率等の取得状況を年1回公表することが、常時雇用する労働者が300人超1,000人以下の企業に義務付けられたことも男性育休取得率上昇の支援となりそうです。
仕事をしながら「育児・介護」に関わっている方、今後関わられる方、利用できる制度があるかもしれません。
是非、下記の資料をご参照ください。育児休業等給付についても細かいルールがあるので、わからないことは、ハローワークでご確認ください。

2025年4月 CFP 石黒貴子

厚労省『育児・介護休業法 改正ポイントのご案内 令和7年4月1日から段階的に施行』
001259367.pdf

厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続 令和7年1月1日改訂版」
001461102.pdf