子どもの金融教育の必要性

最近は現金を使うことが少なくなり、ネットショッピングやキャッシュレス決済の普及などで現金そのものの流通が減ったことから、「お金はATMから出てくるもの」と思う子どももいるようです。お金そのものへの意識が希薄化している今こそ、金融教育は非常に重要です。

~家庭でできること~
幼少期: 買い物を通してお金の有限性や使い方を教え、お小遣い制を導入して「ほしいもの」と「必要なもの」を区別させます。

まず、子どもと一緒に買い物に出かけ、大人がお金を支払う場面を見せましょう。そうすることで、必要なもの、欲しいものは無条件で手に入るのではなく、お金で買うという流れを感覚的に理解することにつながります。

次に、お金がどこから得られ、どのように使われるか、お金の流れを見せましょう。お金をATMから引き出す際には、このお金は働いた対価であること、この対価が食費や光熱費、家賃・ローンの支払いに充てられ、預貯金にも回るなど、欲しいものを買う以外にも、暮らしに欠かせない使いみちが決まっていることを大まかに理解させていきます。

ATMはいくらでも引き出せる打ち出の小づちではないことも伝えます。なぜご飯が食べられるのか、なぜ電気が点いているのかという日常の小さな疑問に結び付けて話をすると、幼い子どもでもイメージがつかみやすくなります。

小学生〜:クオカードを使ってコンビニで少額の買い物を体験させ、レシートで残高を確認する習慣をつけたり、家計の仕組みに関心を持たせたりします。足し算引き算ができるような年齢になったら、おこづかい帳のつけ方を教えるのもいいでしょう。

キャッシュレス決済が主流となり、現金のやり取りを目の当たりにする機会が少ない子どもも増えています。クレジットカードやネットショッピングで買い物をした場合でも、使ったお金は銀行口座から引き落とされて、その分だけ残高が減ることも伝えましょう。

~お小遣いを自分で管理し、お金の使い方を実践で学ぶ~
お金の流れが理解できたら、お小遣いを渡して自分で管理させることを実践してみましょう。洗濯物をたたむ、食卓のテーブルを拭くといったお手伝いの対価としてお小遣いを渡すことで、「お金は働いた成果として得られるもの」という意識を、経験をとおして持ちやすくなります。

出所:ベネッセ教育総合研究所

小学生の毎月決まった金額ではお小遣いを渡していない42%の中には、お手伝いの対価や勉強や習い事などを頑張ったご褒美として不定期に渡しているというご家庭もいるかもしれません。

~お年玉の相場も見てみましょう~
未就学児(幼児): 500円~1,000円、3,000円まで
小学生(低学年:1~3年生): 1,000円~3,000円
小学生(高学年:4~6年生): 3,000円~5,000円
中学生: 3,000円~1万円(5,000円がボリュームゾーン)
高校生: 5,000円~1万円(1万円が多め)
大学生・専門学生: 1万円程度(渡さない場合も多い)

私は弟に子どもの頃プレゼントをしたことはなかったのですが、小6の孫(お姉ちゃん)は貯まった貯金から弟に「箱そば」をごちそうしたりするらしいので感心しています。

FPみらいでは子どもの金融教育のために、独自のおこづかいゲームを行なっております。

対象は小学生で、金融庁のうんこドリルを一緒に行ないその後ゲームをします。
ゲームでは最初に3,000円のお年玉をもらって、サイコロを振って進んで行きます。途中「必要な物を買う」場面や「欲しい物を買うか買わないか決める」場面や「他の人のためにお金を使う」場面など出てきます。
1,000円で1,200円分の買い物ができるお得なカードが買えるチャンスがあったり、おこづかいをもらえるマスやお菓子をもらえるマスがあったり、大盛り上がりです。

~金融教育が必要な理由~
生きる力・自立に必要なスキル: お金の管理は、安定した生活を送る上で必須であり、人生の選択肢を広げる基盤となります。
金融リテラシーの向上: 経済の仕組みや社会とのつながりを理解し、正しい知識と判断力を身につけることで、将来の職業選択や自己実現に役立ちます。
金銭トラブルの防止: 詐欺や不正な金融商品から身を守るための防御力となり、巧妙化する悪質商法にも惑わされにくくなります。
資産形成への意識: 限りあるお金をどう使うか考え、将来のために計画的にお金を準備する習慣が身につきます。

金融教育は、単にお金を貯めるだけでなく、お金を通じて社会や経済を理解し、主体的に人生を切り開く力を育むための重要な教育です。お金のことはなかなかシビアで口にしにくいですが、ゲームを通じて楽しく学ぶというFPみらいの「おこづかいゲーム」にぜひ参加して、子どもの金融教育に役立ててもらえたら幸いです。
   

 CFP 佐藤 広子

2026 年NISAの改定はどうなる?

2024 年から始まった新NISA制度ですが、来年は変わるかもしれません。
これから審議を経て決定されるのですが、金融庁の要望事項は下記の通りです。
NISA 対象商品の拡充を含む制度の充実
【現状及び問題点】
○NISAの抜本的拡充・恒久化等に伴い、若年層を含め、幅広い世代や所得階層にわたってNISAの利用が広がっている。
○NISA の普及をさらに進め、これから資産形成を始めようとする若年層や高齢層などを含め、あらゆる世代の長期・安定的な資産形成を支援するためには、対象商品の拡充を含め、NISAの一層の充実を図る必要。
【要望事項】
あらゆる世代が自身のライフプランに沿った形で資産形成を行えるよう、対象商品の拡充を含め、NISA の一層 の充実のための措置を講ずること

出典:金融庁2025年8月 令和8(2026)年度 税制改正要望についてより抜粋

①のこども支援の一環として、つみたて投資枠における対象年齢などの見直しは、 こども家庭庁との共同要望で、現在は成人した人しかNISAを活用できません。旧NISAの時はジュニア NISA という制度がありましたが、新 NISA 発足と同時に、新規開設は不可となった経過があります。
今回の要望では、つみたて投資枠のなかだけで、年齢制限が緩和されるものと思われます。
金額にもよりますが、成人してからの積み立てより、長期間の積み立てになるので複利効果が大きく、資産形成に大きく寄与するものと思われます。
例えば全世界インデックス投信(長期平均利回り5% *1)と仮定
*1 「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の参考値(2010年11月~2025年11月):年利約8.04%なので、ムチャな利回り数字ではありません。

子供の誕生0歳から毎年暦年贈与限度額の110万以内で毎月9万円を毎月積み立て生涯投資非課税限度額となる1,800万円に近くなるとなる15歳まで続けるとなると、16年間で累計投資額が1728万円となります。その後は新規積み立ては一切せずにそのまま保有しているだけで30歳時に5,432万円、40歳時に8,840万円、50歳時には1億4,413万円、 60歳時にはなんと2億3,478 万円にもなります。

②の様々な資産運用ニーズに応えるための、対象商品の拡充においては、今の制度や運用商品は資産形成層を主なターゲットにした制度設計となっているため毎月分配型の投資信託などは、対象商品から除外されています。
高齢者にとっては、2 か月に一回支給される年金に加えて、毎月分配金が入ってくるような商品ニーズは高いです。

③の投資商品の入替えをしやすくするための、非課税保有限度額の当年中の復活については現行 NISA では 1 月に売って、違う商品に変えようとすると、来年にならないと枠の復活はしないため、1年間近く運用できない期間が生じてしまいます。
これを、翌年まで待たずに入替できるような制度にしようとすることです。
当初、即時復活と聞いて、NISA を使ってデイトレードみたいにできるのかとの誤解された人もいたようですが、デイトレでの資産形成などを目指した制度ではないので、今後の議論にもよりますが、 年内の入替の回数制限や提言にある「非課税保有限度額」ということばが生涯保有の非課税限度額1800 万円を指しているのか、年間の非課税保有限度額360 万円を指しているのかもよくわかりません。

いずれにしろ、年内に具体案をまとめて来年の国会審議を得てからの実行ということでしょうから、実施時期は、制度変更に合わせて、金融機関のシステム変更対応などもあるため、2027 年以降になると想定されます。

CFP 磯野正美

金融資産の終活はどうするのが良いか

 老後資金の運用や取り崩し戦略について考えるとき大切なのは「いかに資産寿命を長くするか」ということになる。長生きリスクやインフレリスクが高まっている中で寿命が来る前に資産寿命が尽きるリスクも高まってきている。
 老後資金の運用・取り崩し方で「65~70歳くらいからは投資をせず現金化して取り崩してゆく」というイメージを抱く人が多いようだが、これは勧められる戦略ではないと思う。この方法では資金を眠らせておくことになり、インフレによってその価値が目減りしてしまうことになる。では、どうすればよいのだろうか?
 「投資は生涯にわたって継続する」
 資産寿命を延ばすには、保有している投資信託等を全部売却しないで、運用を継続し生涯にわたって投資・運用を継続してゆく必要がある。この意味で改正された新NISAは非課税期間が無期限となり「生涯投資をサポートしてくれる制度になった」ので、新NISAを賢くフルに活用することで資産寿命を延ばしてゆきたい。そして大部分のNISAは投資信託を使った積み立て投資で行われていると考えられるのでこのブログではその前提で取り崩し戦略を考えたい。
 「どう取り崩してゆくのがよいか」
それは「一気に売却するのではなく、必要な分だけ取り崩す」こと。こうすることで残りの資産から資産所得が引き続き得られることになる。また、取り崩しの開始時期は多くの場合65~70歳前後の家計の収支がマイナスになる時期が適していると思われる。
定期的な取り崩し法は3つ
1、 定額解約:一定期間ごとに一定の金額で解約してゆく方法
  例、毎月5万円、毎年120万円 等
2、定率解約:一定期間ごとに保有資産残高の一定割合で解約してゆく方法
  例、毎年残高の3%、5%  等
3、定口数解約:一定期間ごとに一定の工数を解約してゆく方法
  例、毎月1万口、毎年10万口  等
定額解約は取り崩し額が常に一定なので分かりやすく計画を立てやすいというメリットがある。定率解約は一定期間ごとに保有資産残高の何%かを解約してゆくので、保有資産残高が減ってゆくのに合わせて取り崩し額も減ってゆく。このメリットのため資産寿命を延ばす効果が出る。しかし、受け取る金額が変動するため家計の管理がしづらい、基本的に保有資産残高が減ってゆくので、取り崩し金額も減ってゆき家計は苦しくなってゆく点はデメリットといえる。
3番目の定口数解約は「保有する100万口を10年間毎年1回の均等割りで解約して終了」というようにいつまでに使い切るというイメージを固めておきたい人に向いている。
ではどの方法が良いのか?
 多くの金融機関や専門家が過去の株価指数などのインデックスを基にシミュレーションしたところ、「一定期間経過後の取り崩し総額+資産残高」で優位になった順番は①定率②定額③定口数となったということです。定率解約は相場上昇時に多くの金額、下落時に少ない金額を取り崩すので投資効率が高くなる傾向があり、その特徴が優位になったと思われます。しかし、家計の管理・計画をする際には「金額が一定である」ほうが分かりやすく安心感もあります。また、株式を中心とするポートフォリオであれば中長期的に資産は成長してゆく可能性が高く、定額解約でも資産寿命を延ばす効果は期待できます。こうなると定額解約はベストではないがよりベターな選択になるのではないかと思われます。
                          CFP 重田 勉

昨年末からの日本株上昇で思うこと

昨年末から新年にかけての最大の話題は安倍政権の誕生とその経済再生方針、それを受けた円安の進展・更にそれを好感した日本株の復調でしょう。1月18日時点では日経平均は当面の目途と言われていた1万1千円近くまで上昇している。昨年11月末時点は9千円を前後していたのだから一か月半で約2千円も上昇したことになる。これは率にすれば約22%、やっと日本株も世界の上昇から出遅れていた状況から追いつきつつあるようです。

この状況を見て心穏やかでいられなくなるのが我々一般人の気持ちでしょう。ある人はここをピークとみて売りを検討し、ある人は上昇局面に入ったようだから買ってみようかなと思う。または早まって昨年売らなければ良かったと思っている人がいるかも知れません。

私は元々個別株を狙うタイプではなく、ETFやインデックス型投資信託を中心に日本株に投資しています(額は少ないが・・)。これは個別株で儲かる銘柄を探すことは難しく、そこに拘ると生活の時間が相当そこにかかってしまうと考えるからです。自分の暮らしを豊かにしてゆくためには貯蓄だけでなく、投資によって資産を増やしてゆく必要がありますが、だからといって生活のかなりの部分を銘柄研究等にとられるのは本意としていません。

また、パッシブ型の投信の方が手数料も安く、日本株は情報を得やすく、指数を指標にすることによって自分の損益・勝ち負けが分かりやすい利点があるためです(購入時点の株価水準を覚えておけば良いのですから。)

私としては日経平均が1万2千~1万3千円に上昇した時点をピークと設定し、そこで処分(売却)する予定です。問題はいつそこに到達するかの予測ですが、私も参加した勉強会の講師を務めた著名株式評論家のK女史は参院選が終わるまでは大丈夫だろうとのご宣託でした。私もこの見解には賛成で、自民党政権は参院選勝利のためにも経済を刺激し、高株価を維持してゆかなければならないとみるからです。

ただ今回の日本株上昇局面でも忘れてはいけない点は感じます。それはかつてのオランダのチューリップバブルの話。最後のババ(高値)をつかまないように、人気化しているようだから買ってみようというのは1つのバブルのような動きのどの局面か考えることが必要だと思います。目端の利く人は既に昨年末衆院選で自民党が勝つと言われた時期に買っているでしょう。また、長期投資をしている人はリーマンショック後の2008・2009年から今回の上昇局面を待ち続けていて、やっと古漬けの漬物を食べられると喜んでいるかも知れません。

(重田 勉)

2年定期、3年定期預金としても活用できる個人向け国債(変動10年)のお得な活用法

皆さん、2年後、3年後に確実に使う予定(例えば子供の大学入学金等)のお金は何で運用しますか?

そのまま、大手銀行の定期預金にするという方、ちょっと待ってください。

次の数字は何でしょうか。

(1)718円 (2)4,674円 (3)11,002円

100万円を下記に預けたときの、運用方法の違いによる3年間での手取利益金額です。

(1)は三井住友銀行等(メガバンクは皆同じ)
(2)は3年固定個人向け国債
(3)は個人向け国債変動10年を途中解約

(2)は金融機関(SMBC日興証券)のキャンペーンの活用
(3)は

①金融機関(SMBC日興証券)のキャンペーンの活用
②経過利子には税金がかからないという制度の活用
③途中解約可能という制度の活用

の制度上の仕組みを活用しています。

じゃ、詳しくみてみましょう。
(1)の解説

現在の三井住友銀行のスーパー定期は2年定期も3年定期も同じ金利で0.03%です。
100万預けて、3年間で900円 税引後手取り718 円にしかなりません。(H25年からの復興税も考慮)

(2)の解説

平成24年12月6日~28日募集中だった3年固定の個人向け国債は
第31回債利率(年率)税引前0.07%税引後0.0557795% 1674円です。
SMBC日興証券では、100万円購入すると3,000円の現金還元キャンペーンが行われてます。

他の金融機関でも同様なキャンペーンがありますが、
同じ100万購入でも2,000円だったり、1,000円だったりします。
これは、「個人向け国債 キャンペーン」などで検索すると
各社の比較一覧を載せているサイトもあるので参考にするといいと思います。
毎回、同じとは限りません。前回はA社が一番良かったが、今回はB社とか。

(3)の解説

じゃ、個人向け国債(変動10年)に預けて、2年と11ヶ月と20日で解約した場合次のようになります。
(適用利率は、既に最低金利に近いので、同じ金利と仮定)

半年後の利息の手取り額 1,913円
1年後の利息の手取り額 1,913円
1年半後の利息の手取り額 1,913円
2年後の利息の手取り額 1,913円
2年半後の利息の手取り額 1,913円
解約時控除される金額
(直前2回分の各利子(税引前)相当額0.79685)
-3,824円
2年半後から解約日までの経過利子
(172日と仮定)


0.48%×172/365=2,261円
(課税されない)


利息の総手取額 8,002円

キャンペーン


3,000円

3年後に得られる総利益 11,002円


上記のように、利息の手取額が8,002円となり、キャンペーンでの3,000円を加えて11,002円となるわけです。

(磯野 正美)