ここに架空の高校での同級生二人(AさんとBさん)がいます。
Aさんは高校卒業後18歳で、すぐに会社に勤め始め新NISAを開始
生活をきりつめ、毎年120万円積立を15年間行いました。
NISA累計投資限度額は1,800万円なので、そこまで15年間投資を行った後は、 投資は一切せずに、給料は全部使って自由な生活を続け定年を迎えました。
一方Bさんは大学院まで進み、その後一流企業に勤め24歳から新NISAを開始しました。 BさんもAさん同様一年間の毎年120万円積立、 新NISA限度額1,800万円になるまで積立完了しました。 積立完了した38歳の時にAさんと会って、 その時の資産額を聞いてみると、Aさんは4,757万円で、 自分は、まだ3,170万円とだいぶ負けていたので、NISA枠を使い切ったあとも、 生活は質素のまま暮らし課税口座である特定口座で 毎年120万円 積立を継続していきました。
65歳定年を迎えた時の累計投資額は5,040万円となりました。
そこで、お互い65歳になり定年退社した時、久しぶりにAさんと会って、資産の額を比べました。
BさんはAさんよりずっと多く投資し続けてきたので、当然自分が多いと思ったのですが、 結果は以下の通りでした。
Aさんの投資額 15年間で1,800万円
Bさんの投資額 42年間で5,040万円
65歳時点のAさんの評価額 2億9,558万円(無税で全額受け取れる)
65歳時点のBさんの評価額 2億9,171万円(課税口座で積立分の税金1,266万円控除後)
たった、6年遅くNISAを開始しただけなのに、Aさんは1800万円投資してその後、
一切投資しないのにBさんはその後もずっと投資続けたにも関わらず、 65歳時点ではまだ追いつけませんでした。
この例では、7%で運用するという前提でシミュレーションしました。
7%という数字は過去30年の全世界株式(オルカン)は8.7%(注1)なので、 そんなに非現実的な数字ではありません。
注1:円ベース配当込み 2024年1月時点 株式会社インベストメントブリッジ WEB「いろはにマネー」より 全世界株式30年平均
これは、「複利の効果がどれだけ凄いか」がわかるお話だと思います。
この物語はリック・イーデルマン著の「家庭の金銭学」という本に出てくる、 複利の凄さを教える有名なジャックとジルの投資話をNISA版にアレンジしたものです。
今回の例では、極端に投資にウェイトを置いていますが、 実際には若い時に色々な体験を積むのも人生を豊かにすることになるので、 バランスを取って適度に積立を行っていくことが大事です。
最近では、ポイントで投信積立も出来る証券会社もあるので、 まずは証券口座を開設して少額でもスタートすることが大事だと思います。.
CFP 磯野 正美