元将棋の騎士であった桐谷さん、「月曜から夜更かし」などで優待投資家として紹介され、生活はすべてが株主優待で成り立っていると話されています。
株主優待とは、会社の株主になることによって、お中元やお歳暮みたいなものを会社の決算に合わせて、年に1回か2回、配当金とは別に頂けるというもので、上場している企業の1490社(2021年10月末現在)が実施しています。
優待品は、配当金とは異なり、持ち株数に比例して豪華な品になるということはなく、100株以上の株主全て同一、または100株は○○、200株は△△、500株以上は□□というように株数に応じて差を付けている会社もありますが、一般的には最小投資単位である100株でも、何万株の株主でも同じ商品ということが多いです。
ということは、優待品が貰える最小単位での投資(通常は100株)が一番投資効率の良い投資ということになります。
つまり数百円の株価の会社だと数万円の投資で優待品を貰える権利を手にすることが出来るということになります。
ただ、優待の権利を獲得するには会社の決算に合わせた日に株主になっていることが必要で、8月末権利の会社を9月に購入しても来年の8月まで待たないと権利は発生しません。
また、権利を獲得したからといって、すぐに優待品が届くのはまれで、 通常は権利確定日から2ヶ月から3ヶ月後に配当金などと同じ時期に送られてくるのが一般的です。
優待品は食品や食事券、生活用品、クオカードなどの金券などが多く、その会社の地域特産品を選べるカタログギフトなどの会社、さらには、○○会社プレミアム優待倶楽部などと云って、株数に応じてポイントを付与してグルメ、スイーツ、ドリンク、酒、電化製品、生活雑貨、ビューティ・ヘルス、ファッション、ベキー・キッズ、ペット、ゴルフ関連、アウトドア、花・グリーン・園芸、防災グッズ、旅行、など3500種類以上といわれている、膨大な商品の中から、自分の好きなものを選んで送ってもらえるなどというものもあります。
冒頭に紹介した桐谷さんは、1000社以上の会社の株主になっているとのことで、生活に必要なものはほとんど優待品で揃ってしまうということです。マスコミに紹介されるときは、身につけている洋服、メガネ、時計、リュックなど全て優待品で揃えて登場することが多いです。飲食店などの会社は自社店舗で使える優待券を発行してくれるので、映画(年間100本程度観ているとのこと)を観に行くときも食事は飲食店の優待券で、映画は映画会社の優待券で鑑賞するなど、現金を使わない生活を満喫されているようです。
桐谷さんがよく講演などで勧めているのが「10万円あったら数万円で買える会社を2-3社選んで買いましょう。」というもの。また投資する会社を選ぶ際には、「投資額に対して、配当金と優待品の価値を足したものが4%以上あるのを投資基準としたらどうでしょうか」ということでした。
桐谷さん曰く、株主優待投資は商品を貰えるという直接的なメリット以外に
①自転車で期限切れになる優待を使いに行くので健康が保たれる
➁余った優待を人にあげることで健康になる(長生きに影響を与える要因を調べたところ、肥満解消、運動、禁煙よりも「人とのつながり」が長生きへの影響力が高い)
というメリットもあるとのこと。
みなさんも株主優待投資初めてみませんか?
ただ、株価は業績に応じて上下します。桐谷さんは優待が廃止されない限り、損切(買った値段より安い値段で売却すること)しないとおっしゃっていますが、業績悪化に応じて優待改悪や廃止もあります。昔、私が保有していたアプレシオというマンガ喫茶を運営している会社は業績悪化して株価が下がっても優待廃止とならず、優待利回りが数十%となってもそのまま保有していたら、優待廃止の発表前に会社倒産となって大きな損失を被った経験もあります。このため、保有している銘柄については業績動向もウオッチしておくのが賢明です。
今月我が家に届いた優待商品例
CFP 磯野 正美