«改正派遣法より無期雇用派遣始まる»

最近「無期雇用派遣」という言葉を耳にすることが増えていませんか?
私はこの4月該当になりましたので、今回このことについてお話したいと思います。
今でこそ産休、育休を取って働き続けている女性が多くいますが、30年ほど前、当時は多くの女性が子育てでいったん職場を去り、その後パート、アルバイト、派遣などで再就職をしました。もちろんパートから正社員になった方もいらっしゃるでしょう。
私は同じ会社に派遣社員として、すでに15年目に入りましたが、3年ルールとよばれるものにいつもドキドキしていました。
3年ルールとは・・・派遣先の同一の事業所に対し派遣できる期間(派遣可能期間)は、原則3年が限度。
(派遣先が事業所の過半数労働組合などからの意見をきいた場合は、3年を超えて派遣を受け入れることが可能)
また、同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位(いわゆる「課」などを想定)に対し派遣できる期間は3年が限度。つまり、3年毎に異動があるかもしれないということです。
運よく私は異動をしていませんが、これに伴って勤務地は変わりませんが部署異動をさせられた人もいました。
年齢を重ねるにつれ新しく覚えることが難しくなってきましたから、今回の改正派遣法・「無期雇用」は真っ先に希望を出しました。なにせ部署異動を心配することがなくなるんですから!
「無期雇用派遣」とは何か (厚生労働省HPより)
無期転換ルールは、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、有期契約労働者(契約社員、アルバイトなど)からの申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルール のことです。有期契約労働者が使用者(企業)に対して無期転換の申込みをした場合、無期労働契約が成立します(使用者は断ることができません)。

私は5月に左側の申込書を書いたばかりですので、今後右側の受理通知書が届き、次に労働契約書の取り交わしをしてスタートとなるようです。
厚生労働省の同じページに目に留まるQ&Aがありましたので紹介します。

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Q12.無期転換の申込みを行った場合、正社員になるのでしょうか。また、給与や待遇等の労働条件は変わりますか。
無期転換ルールは契約期間を有期から無期に転換するルールですが、
>無期転換後の雇用区分については会社によって制度が異なるため、一概には申し上げられません。 給与や待遇等の労働条件については、労働協約や就業規則、個々の労働契約で別段の定めがある部分を除き、>直前の有期労働契約と同一の労働条件となります。
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このように、給与、待遇は直前の有期労働条件と同一となるようです。安心しました。さて、私の職場では近年のAI化で派遣社員は減っています。そして結婚しない人も多いので勤続年数は5年を超えている人が9割です。そのため「無期転換」を希望した人は大半でした。確かに、若く正社員に転職希望している方に無期派遣はお勧めしませんが、年齢を重ねた人にはメリットが大きいと思います。

【メリット&デメリット】
①年齢を重ねても、次の派遣先を探す手間や不安が解消される
②派遣期間制限の3年を超えても、同一業務で働ける
③給料が上がりにくいが、雇用を保証してもらえる
④無期雇用の為、働き続けなければならないが、逆にいうと働き続けられる

CFP 佐藤 広子