えっ?!がんで障害年金が受け取れる?

「障害年金」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?

「重度の障害になった時にもらえる年金…?」「障害者手帳を持っている人の年金…?」

ご存じの通り、公的年金には、老齢年金・遺族年金・障害年金があります。しかし、老齢年金に比べて、障害年金の内容については、あまり知られていません。

今日は、がんと障害年金について、お伝えしたいと思います。

生涯のうちに、日本人の2人に1人がんにかかるといわれます。 国立がん研究センターの「最新がん統計」によると、2017年に新たにがんと診断された方は977,393人となっています。下のグラフは年齢別に表したものです。65歳からの増加が顕著ですが、現役世代の含まれる20歳から64歳の合計は約24.5万人です。

国立がん研究センターがん情報サービス/2.(1)全国がん罹患データ(2016年~2017年)より筆者作成 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl_screening/index.html

また、2009年から2011年にがんと診断された人の5年相対生存率は男女計64.1%(男性62.0%、女性66.9%)との統計もあり、がんと診断された後、治療をしながら、がんと共に生きていく現状がわかります。

■傷病手当金

お勤めの方が、がんなど業務外の病気やけがで、4日以上働くことができなくなり、給与が支給されなかった時のサポートとして、健康保険の傷病手当金があります。要件に該当すれば、全国健康保険協会の場合、休職中の生活保障の為、直前の給与(標準報酬月額)の約3分の2が最長1年6ヶ月支給されます。この期間中、一時的に職場復帰、その後休職を繰り返した場合も支給されます。

■障害年金

健康保険の傷病手当金は最長1年6ヶ月受給できます。このため障害年金の等級に該当する場合、傷病手当金受給後に障害年金を受給することが考えられます。

障害年金は病気やけがによって日常生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方を含めて受け取ることができる年金です。

 障害年金には、「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やけがで初めて医師等(医師または歯科医師(以下「医師等」と表記))の診療を受けた時に国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は、「障害厚生年金」が請求できます。

障害年金を受け取るには、年金の保険料納付状況などの条件が設けられています。(詳しくはこちらをご確認ください。日本年金機構 障害年金制度についてhttps://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/04.pdf

原則として、初診日※1が国民年金あるいは厚生年金の被保険者期間中であり、障害認定日※2に身体の状態が障害と認められる場合、対象となります。

◇※1初診日:障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日のこと。同一の病気やけがで転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となります。

◇※2障害認定日:障害の状態を定める日のことで、その障害の原因となった病気やけがについての初診日から1年6ヶ月を過ぎた日、または1年6ヶ月以内にその病気やけがが治った場合(症状が固定した場合)はその日をいいます。

■障害年金の対象となる病気やけが

手足の障害などの外部障害の他、精神障害やがん、糖尿病などの内部障害も対象になります。

1.外部障害:眼、聴覚、肢体(手足など)の障害など

2.精神障害:統合失調症 うつ病、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害など

3.内部障害:呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がんなど

■がん(悪性新生物)による障害認定基準

 国民年金では障害等級は1級2級、厚生年金では1級2級に加えて3級があります。具体的な障害の状態は、国民年金・厚生年金保険障害認定基準により審査されます。日本年金機構HPで全文が公開されています。(厚生労働省:国民年金法施行令別表 厚生年金保険法施行令別表第1及び第2 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12501000-Nenkinkyoku-Soumuka/0000096303.pdf )

◇注:障害年金の等級は身体障害者手帳の等級とは異なります。
身体障害者手帳は、身体障害者福祉法が定める身体上に障碍がある人を対象に、都道府県や、政令指定都市等が交付する手帳です。この等級は7等級に分かれています。(詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。                                     厚生労働省HP:身体障害者手帳/等級
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000172197.pdf

さて、障害年金に話を戻しましょう。 

 がん(悪性新生物)による障害認定基準は次のように定められています。

■一般状態区分表

出典:日本年金機構 認定基準 第16節 悪性新生物による障害 より
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.files/3-1-16.pdf

がんの場合、人工臓器(人工肛門・新膀胱など)の造設など、目に見える身体の機能の変化だけでなく、 抗がん剤などの薬物治療の副作用による倦怠感(だるさ)や末梢神経障害(しびれ、痛み)、貧血、嘔吐、など、見た目では分かりにくい内部障害の場合でも、その原因ががんの治療によるものであり、現在の仕事に支障をきたすことが認められれば、支給対象になる可能性があります。

■ここがポイント

・がんによる障害は生活や仕事への支障が分かりにくいため、書類の書き方によって受給の可否が分かれることも少なくありません。また、がんという病気の特性上、個々のケースが様々で、初診日の確定など手続きが難しい場合もあります。ご自身やご家族が対象になるかも?と思ったら、主治医、担当看護師、病院の相談室、ソーシャルワーカーに相談し、連携することが大切です。

傷病手当金と障害年金の支給が重複した場合には、傷病手当金の返納が発生しますので、ご注意ください。

・令和2年10月1日から、同一傷病かつ同一初診日で障害年金を再請求する場合の簡素化が図られています。初回請求で不支給となった場合でも、その後症状が悪化したことによる再請求の再審査に、初回に提出した初診日証明書類を用いる事ができるようになりました(個々の事情によります)。

■障害年金についてのよくある質問

Q.受給することで生活に制限を受けますか?

A.生活保護のように生活に制限を受けることはありません。ご自身が自由に使うことができるものです。受給していると働いてはいけないという事もありません。

Q.障害年金を受け取ると、老後の年金が少なくなりますか?

A.老齢年金から差し引かれるという事はありません。

Q.障害者手帳を持っていませんが…

A.障害者手帳の所持が受給要件ではありません。また、障害者手帳の等級と障害年金の等級は別の法律に基づいて定められており、必ずしも一致しません。

■結び

障害年金は、けがによる障害だけでなく、がんなどあらゆる病気が対象となります。また、目に見えて身体の機能が変わった場合だけが申請対象となるものでもありません。思ったよりもずっと身近に、そして心強く感じませんか?

年金というと、老齢年金が注目されがちですが、障害年金は、幅広い年代にとって万が一に支えとなる制度です。保険料の未納で後悔することのないよう、仕組みを理解して納付するよう、若い方たちにも伝えたいですね。

        2020年11月 AFP 依田いずみ

同日得喪って何? 

『同日得喪』と書いて、「どうじつとくそう」と読む。

初めて聞かれた方も多いと思いのではないだろうか。筆者も最近まで聞いたことが無かった。

社会保険の資格に関する用語で、漢字が表わすように、社会保険の資格取得と資格喪失を同じ日に行うという意味だ。

社会保険とは、健康保険(介護保険を含む)と厚生年金保険の総称であるが、社会保険料の決まる仕組みをおさらいしてみよう。

社会保険料は被保険者ごとに決められた「標準報酬月額」に「保険料率」を乗じて毎月の保険料を決定する方式を取っている。被保険者ごとの標準報酬月額は、残業代や通勤費なども含めた1か月の給与額から報酬月額が決まり、報酬月額を「標準報酬月額表」に当てはめて決定する。標準報酬月額表は、ある幅を持った等級に分けられている。健康保険ならば1級から50級、厚生年金保険料は1級から32級に区分けされている。給料が変動し等級が変わると保険料が変わる。給料が変動しても同じ等級であれば、保険料は変わらない仕組みだ。

保険料の変更は、制度として保険料率が変わる場合(厚生年金保険料は平成29年の9月まで毎年保険料率が改定された)と、被保険者の収入が増減し、等級変更で変わる場合がある。

標準報酬月額は、毎年4月から6月までの3か月間の給与額から計算され、各等級に応じて9月分の保険料(10月納付)から見直しになる。これを「定時決定」と言う。

*日本年金機構ホームページより

会社から毎年、報酬月額の決定通知を受取っていても、さほど気にしないでおられる方が大半ではなかろうか。一方、4月から6月以外の期間で給与が大きく変動した場合は「随時改定」の手続きで、標準報酬月額を見直すことになる。(詳細は、『日本年金機構 随時改定』を参照)

 さて前置きが長くなったが、話を同日得喪に戻そう。

定年退職を満60歳と決めている企業は、90%以上とのこと(厚生労働省調べ)だが、60~64歳で働いている人の割合は全体で約66%、男性では79%だそうである。(2017年 総務省「労働力調査」)
また60歳以上の就労者は全就労者人口の20%を占めている。(65歳以上は12.2%)

*平成30年版高齢社会白書(内閣府)より

つまり60歳を超えても、大半の方々が継続して働いているという事だ。

年金が65歳以降でないと満額支給されない現実や、60歳とは言え体力的に働くには十分な健康を保持されている方が多い昨今としては、うなずけることである。

 2013年に改正された『高年齢者雇用安定法』では、65歳までの雇用確保について、各企業に:

 A. 定年制の廃止

  B. 65歳まで定年年齢の引き上げ

  C. 65歳までの継続雇用制度の導入

の3つから選択することを義務付けた。

 2019年の厚生労働省の集計結果によると、再雇用などの継続雇用が78%、定年の引き上げが19%、定年制の廃止が3%となっている。再雇用制度を導入している企業が約8割である。

60歳で定年退職を迎えて仕事を継続する場合、同じ会社で1日の空白も無く、勤務を続けられるケースも少なからずある。2015年の電通総研の調査では、定年後引き続き働いている人のうち、実に過半数(56.6%)が「再雇用契約をして同じ会社やグループ会社」で働いているとのこと。

ただ、同じ会社での再雇用とはいえ、給料は下がる場合が多い。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構「60代の雇用・生活調査」によると、60~69歳の定年後、再雇用によって「賃金額が減少した」と答えた割合は、全体の81%に上るという調査がある。

再雇用の時期によるが、例えば再雇用が7月からスタートし、かつ同じ会社で勤務する場合、昔であれば人事担当者が随時改定を申請しないと、定年退職前の高い給与水準で決まった社会保険料を翌年の10月まで払い続けることとなる。

 随時改定を申請したからと言って安心は出来ない。随時改定では、給与が改定されてから原則4か月後(保険料の支払いは5か月後)から社会保険料が変更されるからだ。

給与が下がったのに、高い保険料を支払うという矛盾を是正するのが『同日得喪』だ。

 同日得喪の手続きを行うことで、60歳以上であれば給与が下がった月から(保険料の変更は翌月から)、ほとんど時間差が無く、即刻変更される有難い制度だ。

この制度は平成25年4月1日施行された、比較的若い制度である。

平成25年4月1日に施行された制度として有名なものに、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)支給開始年齢の段階的引上げがあるが、同日得喪は、この制度改定に伴って施行された背景がある。

 同日得喪が適用される条件は:

(1)60歳以上であること。

(2)定年または定年以外の退職後、再雇用されること。

と、比較的条件としては緩いものだ。

 通常は、会社の人事部門が手続きを行うが、注意しなければならないのは、同じ会社で再雇用される場合である。ともすると、人事部門が気づかず保険料の改訂を怠るケースだ。

筆者の知人も人事部門が保険料を改定せず、退職前の高い保険料が天引きされていた。
同日得喪を指摘し改定されたが、差額が月額数万円にもなったそうである。

社会保険料は事業主と折半で負担するので、事業主にとっても社会保険料が下がるとメリットは有るのだが。

 社会保険全般に言えることだが、自ら請求しないと支給されないことが多い(年金が良い例)。
とは言え、同日得喪などは中々一般の方には気づかない事例だ。身近なファイナンシャルプランナー に相談いただければ、お役に立てることも多いと考えます。

                               CFP 前川敏郎

「金融サービス仲介業」が 新設 される!?

本稿は2020年9月初旬に起稿しております。世は日本も米国もそのトップを誰にするかでニュースが埋まっていますが、最近のニュースで私が興味を持った記事はオマハの賢人ウォーレン・バフェット氏が最近日本の5大商社株を一気に5社とも5%まで購入したというニュースでした。このところ株式関連ニュースではGAFAと呼ばれるIT関連銘柄ばかりが取り上げられてきましたが、賢人は冷静に割安銘柄を選び、国際分散投資も実践しているのが心強く思われたのです。

 さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回のテーマは「金融サービス仲介業が新設される!?」です。?としたのは、実は金融商品の販売にあたっては既に「金融商品の販売に関する法律」(金融商品販売法)があったからです。それなのに本年6月5日に「金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律」が国会において成立し、同12日に公布された(施行は2021年秋頃と目されている。)のは、それなりの理由・背景があったからです。

法律改正の背景 ――銀行・証券・保険等の業態ごとであった日本の縦割り行政・規制

 預金・ローンなら銀行等へ行き、投資信託・株式関係は証券会社に行き、保険となると保険会社に連絡して外交員に来てもらう。長年縦割り・業態ごとの体制に慣れてきた多くの生活者は当然のことと感じているかもしれないが、就労や世帯の状況が多様化してきており、平日は銀行・証券会社へ行くことなど出来ない人々も多くいる。また、情報通信技術の進展によりパソコン・スマホがあれば店舗に行かなくても振り込みや投資信託等の売買当が出来るようになってきている。分野が異なる様々な金融商品をスマホのアプリを使って“ワンストップ”で購入・売却できるようにすれば、生活者の利便性は向上する。このようなニーズに対応するのが今回の法律改正の 背景 と言えます。

「金融サービス仲介業」は何が出来るのか

 「金融サービス仲介業」とは、「預金等媒介業務」「保険媒介業務」「有価証券等媒介業務」 「貸金業貸付媒介業務」のいずれかを業として行うこと。(金融サービスの提供に関する法律11条)

金融サービス仲介業とはこれまでの銀行・証券・保険等の業態ごとの縦割りだった既存の仲介業(保険募集人・金融商品仲介業・銀行代理業)と異なり、1つの登録で銀行・証券・保険すべての分野のサービスを仲介可能な者・業者。ワンストップサービスに最適化した仲介業。

 しかし、「金融サービス仲介業」の業務として認められるのはあくまでも取引の「媒介」であって、本人の「代理」までは認められていません。

 生活者は当然本人1人です。これまで銀行・証券・保険等商品・業態ごとに相手を変え・交渉してきたことを思うと、信頼できる業者・人さえ見つかればその人・業者を通じてほとんど全ての商品が取引出来る、これは本当に便利なことではないでしょうか?

改正された新たな生活者保護のための規制

 これまで金融商品仲介業者は証券会社や銀行に所属し、トラブルについての損害賠償請求は所属の金融機関に対して行うものとされていました。今回この「所属性」も無くなったため、代わりに新たな規制が取り入れられ利用者・生活者保護が図られています。

 下記保証金の提供義務で示された金額からも分かるように「金融サービス仲介業」のうち投資助言・代理業のみを扱うにしても5百万円の保証金を提供しなければならず、実際の仲介業者は個人というよりは投資助言サービス業者・生損保保険代理店・金融商品仲介業者等が主体になると推測されます。

 取扱商品の制限(高度な説明を要するサービスの制限)

  銀 行 証 券 保 険
取扱可能 普通預金、住宅ローン 国債、上場株、 投資信託 傷害、旅行、ゴルフ
取扱不可 仕組預金 非上場株式 変額、外貨建て

                      (金融庁説明資料より抜粋)

 保証金の提供義務

  こちらも所属性の廃止にともなう仲介業者の賠償資力の確保策といえます。

 (参考資料)想定される保証金供託額の目安

保険仲介人 2千万~8億円
少額短期保険業 1千万円~
投資助言・代理業 5百万円

                        (金融庁説明資料より抜粋)

 その他の主な仲介業の義務

「顧客から求められた時には仲介業者が受け取る手数料・報酬を開示する義務」

 これは仲介業者が顧客または金融機関のどちらの立場に立ってサービスを提供しているかの 判断材料になるもの。顧客の納得できるビジネスモデルを作ることが大切になる。

「金融サービス仲介業」で何が出来るのか?

 これから始まる業態であるので飽くまでも推測だが考えられる業務を推測すると・・     例えばスマートフォンのアプリケーションを使い、生活者自身の口座残高や入出金を確認すると共に、そのサービスを通じて得た生活者の資金ニーズや資産状況を基にして利用可能な融資の紹介、各人のライフプランに適した金融サービスの比較・推奨を行う等日常生活上の金融取引ニーズに応える業務。

 例えば、不動産会社等の非金融機関が資格を取得し、物件販売と同時に住宅ローンや地震保険を仲介する業務等特に金融機関以外の会社の金融サービス業への参入の動きは今後更に活発になると推測されます。

最後に

法の施行まではまだ約1年ありますので、今後各社による研究が進むものと思われます。我々生活者も日々アンテナを高くして、大きな見出しの記事だけでなく、この仲介業の新設のような関連ニュースを追ってゆく姿勢が大切だと思われます。

                             CFP 重田 勉

今話題の「マイナポイント」と「プレミアム商品券」の申し込みについて

「マイナポイント」

2019年10月、消費税が10%に増税されたときにキャシュレス決済事業者などがいったん消費者にポイントを付与し、その負担分を後から国が補助する「キャッシュレス・ポイント還元事業」が2019/10/1~2020/6/30で終了しました。コンビニで買ったレシートからたとえ数円でも▲の数字を見ると得した気分で嬉しかった気がします。

さて終わってしまった「事業」の代わりはないのでしょうか?
それが9/1始まる「マイナポイント事業」です。今、舘ひろしが着ぐるみでCMをしていますね!

これは、マイナポイントを予約・申し込みの上、キャッシュレス決済サービスで2万円のチャージ、またはお買い物を期間内にした人へ5000円相当のポイントを付与するという事業です。

これも期限付きで2020/9/1~2021/3/31ですのでぜひやってみましょう。

スマホでも申請できます!

https://mynumbercard.point.soumu.go.jp/?utm_source=yahoo_sem&utm_medium=cpc&utm_content=point_2&utm_campaign=point

上記の総務省のサイトへジャンプすると、動画でわかりやすく説明があります。

①マイナンバーカードの取得

まずは、マイナンバーカードが必要ですので、まだ取得していない方は申請しましょう。自治体にもよりますが、取得までおよそ1か月かかるようです。

②マイナポイント予約&申し込み

スマホにアプリを取り込みます。「マイナポイント」で検索するとうさぎのキャラクターがでてきます。

            ↓

    マイナポイントの予約(マイキーIDの発行)

            ↓

 暗証番号を入力、マイナンバーカードにスマホを重ねて読み取らせる

この読み取りが難しく、私はかなりの時間を費やしてしまいました。コツはテーブルにカードとスマホを置いてやること!

(通常QRコード読み取りはスマホとQRに隙間があっても読み取ってくれるが、マイナンバーカードとスマホは重ねます!)

次にマイナポイントの申し込み(決済サービスを選択する)

決済サービスには電子マネー(44)、クレジットカード(24)、プリペイドカード(23)、 QRコード決済(16)、デビットカード(4)などがあります。

その中にはキャンペーンを実施し、500~2000円相当事業者が上乗せするところもあります。

例えばWAON、ゆうちょPayは 2000円相当。  auPAYやSuicaは1000円相当。
nanacoは500円相当。   PayPayは抽選で最大100万円相当・・・・

他にもいろいろキャンペーンがありますので、よく考えて登録しましょう。これは一度登録すると変更はききません。

私もすごく迷いましたが、クレジットカードをよく利用しているので結局一番使うエポスカードにしました。2万円チャージして普段使わないのに無理に使うよりは、使った分にポイントを上乗せしてくれるので十分と考えたからです。

あとは期間内でチャージしたり、お買い物をしたりしてポイント還元してもらいましょう。

「プレミアム商品券」

神奈川県では新型コロナウイルスの影響に苦しむ地域経済へのカンフル剤として、7/28現在11自治体が「プレミアム商品券」を発行しています。

ちなみに海老名市では「元気いっぱい!!えびーにゃ商品券」を発行しています。

https://www.city.ebina.kanagawa.jp/guide/shoko/shokougyo/1011146.html

残念ながら1次販売の購入申し込みは7/27で終了していますが、2次販売がある場合はHPでお知らせがあるようです。こういうお得情報は自分から取りにいかないといけないので常にアンテナを張っておきましょう。良かった点は小型店でコロッケ2個でも買える200円券も含めたところです。予定した28万冊を上回り、増刷したようです。

皆さんも、お住まいの自治体のプレミアム商品券を探してみて下さい。

                         CFP  佐藤 広子

「65歳になったら」 ~介護保険料について~

65歳になったら、次々に書類が届きます。公的年金の請求はがき、高齢者肺炎球菌予防接種券、公的介護保険証等々です。公的年金は待ちに待ったいただくお金です。公的介護保険証はあなたが第1号被保険者となったということです。介護サービスを利用する時には必要ですので大切に保管しましょう。公的介護保険料の決定通知書も届きます。これは、出ていくお金です。65歳前後まで会社員としてお勤めされているまたはいた方は特にその額に驚かれると思います。結構な金額です。誕生日から3月末(年度末)までの分です。会社員もこれからはお住いの自治体へ半分(今までは勤務先の事業所と折半)ではなく、公的介護保険料の全額を自分で直接に納付しなければなりません。扶養されている会社員の妻(夫)も65歳になったらこれからは自分の分を自分で納めなければいけません。年間18万円以上年金を受給している場合には、基本的に特別徴収(天引き)での支払いになります。

それではその出ていくお金の「公的介護保険料」にスポットをあててみましょう。以下、文中では「公的介護保険料」を「介護保険料」と表示します。

 介護保険制度

 日本は高齢化が進み寝たきりや認知症などの介護を必要とする高齢者が増加して、将来、社会保障費の財政がひっ迫すると予想されています。また、高齢者を家族だけで介護することが困難な時代を迎え、皆で支えあう意味からも介護保険制度が制定されました。近い将来確実にやってくる「超高齢化社会」に備えての制度です。介護保険法は2000年に施行されてから20年が経過しました。当初(全国平均2911円会社員は半額の1500円)はこのくらいの保険料ならと余裕でこの制度を受け入れたことを記憶しています。

                  (出所)厚生労働省ホームページの資料を基に筆者作成

図①をご覧ください。2018年には全国平均の介護保険料は5869円と約2倍になりました。その間、給料が2~3倍になったとすれば、保険料はそれなりの金額となったことでしょう。2000年の介護給付(総費用額)3.6兆円は2018年には11.1兆円(2018年)と3倍以上(図①の赤枠)に上昇しました。

 総費用額11.1兆円の財源

 図②をご覧ください。介護給付(総費用額)は税金と介護保険料で半分ずつ負担します。つまり、半分を私達が介護保険料として納付します。

 現役世代の第2号被保険者(図②桃色)である会社員の介護保険料は標準報酬月額表の等級により決まります。健康保険料とともに天引きされますが、加入している健康保険で異なります。今年(2020年)4月納付から介護保険料率が上がったことをご存じですか?給料天引きではなかなか気づきませんよね。自営業の場合は国民健康保険料に上乗せして納付します。こちらは自治体によっても、個人の収入でも異なります。

 65歳以上の保険料の計算は自治体ごとに決められています。各自治体は、3年ごとに介護サービスに必要な給付額の見込みを立て、予算を組みます。その予算の23%(図②緑色)を65歳以上の人が納めています。その額をその自治体に住んでいる65歳以上の人の数で割ったものが、保険料基準額です。しかし、全員一律でこの基準額にすると、収入によっては負担が大きくなってしまいます。そのため、所得段階に分けて、それぞれの保険料率を掛け合わせ、保険料を決めます。所得段階は国の方針だと9段階ですが、自治体によってはもっと細かい区分を使用しているところもあります。介護保険通知書(前述)にはお住いの基準額表示の区分表が同封されています。ご確認ください。

 介護保険サービスの利用

 まず、お住まい(住民票のある)の市区町村の窓口で要介護認定(要支援認定を含む)の申請をします。介護保険証(64歳以下の方は健康保険証)を必ずお持ちください。次に市区町村の職員などの訪問を受ける聞き取り調査(認定調査)と かかりつけのお医者さんの心身の状況について意見書(主治医意見書)が作成されます。

その後、認定調査結果や主治医意見書に基づくコンピュータによる一次判定及び、一次判定結果や主治医意見書に基づく介護認定審査会による二次判定を経て、市区町村が要介護度を決定します。

 介護保険では、要介護度に応じて受けられるサービスが決まっていますので、自分の要介護度が判定された後は、自分が「どんな介護サービスを受けるか」「どういった事業所を選ぶか」についてサービス計画書(ケアプラン)を作成し、それに基づきサービスの利用が始まります。

(出所)内閣府ホームページの資料を基に筆者作成

 認定状況をみると2016年、65歳以上の介護サービス利用者は第1号被保険者の18%を占めています。5人に1人は利用している状況です。図③のように、それを75歳で区切ると75歳以上の要介護者等の割合が大きくなっています。団塊の世代が75歳以上となる2025年以降はさらなる増加が見込まれます。

 私達は保険料を納付していますので、介護サービスを割安で利用できます。利用上限額は、要支援要介護度で決まっています。そして図④のように、利用者負担割合は所得で異なります。介護保険は老後に備えるためだけではありません。40歳からでも利用は可能です。ただし、第2号被保険者(40~64歳)の利用には条件があります。要介護状態になった原因が厚生労働省が定める16種類の特定疾病(ブログ文末に記載)である場合です。

 介護サービスの負担額が心配になりますが、負担額には上限が設けられています。高額介護サービス費支給制度です。介護サービスを利用する場合にお支払いいただく利用者負担に月々の負担の上限額が設定され、1ヵ月に支払った利用者負担の合計が高額介護サービス費の上限を超えたときは、超えた分が払い戻される制度です。個人の所得や世帯の所得に対して異なりますが、最高の負担額は世帯で月単位44000円です。さらに年単位の高額介護療養費制度もあります。介護資金に余裕のある方は、自己負担で介護保険外サービスも受けることができます。

まとめ

 介護保険の財源から少子化・高齢化がこの介護保険制度にも多大な影響を及ぼしているということがわかります。毎回同じこと述べますが

  • 出生数を上げる
  • 健康寿命を延ばす
  • 男女ともできる限り長く働く

この3点が介護保険も含めた社会保険制度の破綻を防ぐための対策です。まわりまわって個人の介護保険料に反映されてきます。

さて、介護保険制度は3年に1度の改正で変化しています。

直近の2018年の主な改正は

  • 自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化
  • 一定以上の所得者に対して自己負担を3割へ引上げ(図④の赤円)
  • 医療・介護の連携推進「介護医療院」の創設
  • 「共生型サービス」の実施
  • 介護納付金における総報酬割の導入            

でした

 次回の改正は来年の2021年の予定です。制度施行後は数回の改正が実施され、内容は徐々に利用者を施設から在宅復帰へ、権限が国から自治体へと変化しています。2025年問題(団塊の世代が75歳以上となる)は、もう目の前に迫ってきています。今年は新型肺炎コロナウイルスが蔓延し、未曽有の社会生活を余儀なくされました。この現実を踏まえて「新しい生活様式」に沿ったどのような政策がとりこまれてくるのでしょうか?今春、介護事業所経営の友人が大変苦労して、営業を続けたと聞いています。今後、介護保険制度がどのような改正を行うのか、そして保険料はまた上がるのか?注目しましょう。

「備えあれば憂いなし!」老後資金またはその他のご相談はこちらへどうぞ

2020年7月

                            CFP 楠本智子

資料:16種類の特定疾病(厚生労働省ホームページから)

1.がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る) 2.関節リウマチ 3.筋萎縮性側索硬化症 4.後縦靭帯骨化症 5.骨折を伴う骨粗鬆症 6.初老期における認知症 7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病【パーキンソン病関連疾患】 8.脊髄小脳変性症  9.脊柱管狭窄症  10.早老症 11.多系統萎縮症  12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症  13.脳血管疾患  14.閉塞性動脈硬化症  15.慢性閉塞性肺疾患  16.両側の膝関節または股関節の著しい変形を伴う変形性関節症

年金制度改革関連法が5月29日に成立しました ~主婦の働き方と老後の資産形成~

パートタイムなど短時間労働者への厚生年金適用拡大を柱とした年金制度改革関連法案が5月12日に衆議院で可決され参議院での審議を経て5月29日に可決、成立しました。

現在、短時間労働者が厚生年金への加入資格を取得するには、週の所定労働時間が20時間以上、雇用期間が1年以上、月額賃金が8.8万円以上(年収106万円以上)、勤務先の従業員数が500人超等の条件が必要ですが、法が成立し、従業員数及び雇用期間の条件が緩和されます。

             現在    2022年10月  2024年10月
企業規模(従業員数)  500人超    100人超     50人超
雇用期間        1年以上     2か月超     2か月超

厚生年金の適用拡大が、主婦の皆様のパートタイム勤務に与える影響について見てゆきます。

夫に扶養されている年収130万円未満の主婦は第3号被保険者に分類され、第2号被保険者である夫の被扶養者として国民年金保険料納付は必要ありません。また、健康保険についても夫の勤務先の健康保険組合等で年収などの条件により被扶養者と認定された家族には、保険料はかかりません。

厚生労働者の「平成28年パートタイム労働者総合実態調査」によれば、女性のパートタイム労働者に占める主婦の割合は8割弱であり、その内の2割が就業調整を行っています。就業調整を行う主な理由としては、税金支払いの発生(年収103万円以上)や夫の被扶養者から外れ(年収130万円以上)社会保険料支払いが発生する事等が挙げられています。

パートタイム勤務をする主婦の皆様が、就業調整をせずに厚生年金保険料や健康保険料を払いながら働く場合について、支払った保険料と将来受給できる厚生年金との関係を見てゆきます。

図1に、主婦の皆様が社会保険に加入し働く場合の社会保険料支払総額と将来受給する厚生年金の総額を、勤務期間5年、10年、15年及び20年について、年収毎に取り纏めました。

主婦の皆様自身が社会保険に加入することで、自身の手取り額は減額しますが、減額分の総額は65歳から90歳(女性の65歳時の平均余命24.5年)の期間に受給する老齢厚生年金の総額と粗同額であることが分かります。

算出の条件
・毎年のインフレ率を0%として計算

次に、主婦の皆様がパートタイム勤務を行う場合の勤務形態別の年収と手取額の関係を見てゆきます。

図2は、勤務先の社会保険制度に加入できる場合と企業規模等により加入できない場合について、年収と手取り額の関係を示しています。

社会保険制度に加入できる場合、年収が106万円から年収対比で15%程度に相当する厚生年金保険料と健康保険料の支払いが発生します。

それに対し、勤務先の社会保険制度に加入できない場合は年収が130万円未満であれば夫の被扶養者として社会保険料の支払いが免除されるため、収入からの減額分は年収の4%程度以下の所得税・住民税等の支払いのみですが、年収が130万円以上になると自身での国民健康保険料及び国民年金保険料の支払いが発生するため所得税・住民税を含め減額分は年収の25%程度になり、勤務先の社会保険制度に加入する場合に比較し大きな差となります。また、自身は将来、老齢厚生年金の受給もできません。

年金制度改革関連法により短時間労働者への厚生年金の適用条件が緩和されることで、パートタイム勤務を行う主婦の皆様は勤務先の社会保険制度に加入しやすくなり、就業調整をせずに年収を増やした働き方に移行することが期待されます。

昨年6月に公的年金以外に老後資金として2,000万円が必要との報告書が金融庁から公表され大きな問題となりました。

厚生労働省は毎年1月に、妻が専業主婦、夫が平均的な収入(月額43.9万円)の会社員で40年間就業した場合の夫婦2人(モデル世帯)の年金額(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金)を発表していますが、令和2年度分は月額220,724円となります。

一方で、高齢夫婦無職世帯の平均生活費は、2019年家計調査報告(家計収支編)によると月額270,929円です。公的年金だけでは、生活費が毎月5万円程度不足する結果となります。

短時間労働者への厚生年金適用拡大の流れの中で妻が厚生年金に加入しパートタイム勤務を行う場合やシニアの就業機会の拡大の中で夫も60歳の定年後も働き続ける場合について、老後資金の不足額がどれだけ改善するかについて、図3に金融資産残高の推移をまとめてみました。

公的年金額は厚生労働者の想定するモデル世帯の値を基に、長く働いた場合はその分の厚生年金額を上乗せし、また生活費は総務省の「2019年家計調査報告(家計収支編)」の高齢夫婦無職世帯及び高齢単身無職世帯の値を使用して計算しました。

主婦の皆様が厚生年金に加入しパートタイム勤務をする場合の月額賃金は、厚生労働者の「令和元年分毎月勤労統計調査」で示されたパートタイム労働者の月額給与額から10万円としています。

60歳時点の金融資産残高は、「家計の金融行動に関する世論調査」(金融広報中央委員会 令和元年)の二人以上世帯の貯蓄残高(世帯主の年齢が60歳代の場合)の中央値1,200万円を使用しています。

その他のシミュレーション条件
・夫婦の年齢:同い年
・夫が60歳から64歳迄勤務する場合の月額賃金:300.9千円
出所 平成30年賃金構造基本統計調査 厚生労働省
・60歳から64歳迄勤務する場合の生活費:二人以上世帯の60~64歳の支出額(勤労 者世帯、無職世帯)
 出 所 2019年家計調査報告(家計収支編)
・65歳時点の平均余命:男性19.7年、女性24.5年 
出所 平成30年の簡易生命表

図3の茶色の折れ線(①)は、妻がパートタイム勤務を行わず。夫も60歳定年後、勤務を継続しなかった場合の金融資産残高の推移です。60歳時点の金融資産は、63歳になる前に底をつき、65歳時点の平均余命から算出した女性の平均寿命である90歳時点では金融資産残高はマイナス20百万円となってしまいます。

次に、夫が60歳の定年退職前に妻が厚生年金に加入し月額賃金10万円で10年間パートタイム勤務をした場合の金融資産残高を青色の折れ線(②)で示します。①の場合に比べ、60歳時点の金融資産残高が妻のパートタイム勤務の手取り収入分だけ増加するため、90歳時点で金融資産残高はマイナス10百万円まで改善します。

②の条件に加え夫が60歳から64歳迄勤務を継続した場合の金融資産残高を緑色の折れ線(③)で、また、③の条件に加え妻も60歳から64歳迄 月額10万円でパートタイム勤務する場合の金融資産残高を紫色の折れ線(④)で示します。

90歳時点の金融資産残高は、③はプラス10百万円、④はプラス17百万円となり、その分、何かあった場合でも対応が可能な老後生活となることが分かります。

総務省の労働力調査によれば、2019年の就業率は60歳から64歳の年齢階級で男性は8割強、女性は6割弱に対し、65歳から69歳も男性で6割弱、女性で4割弱で、就業率は年々増加しています。

年金制度改革関連法では、短時間労働者への厚生年金適応拡大に加え、公的年金の受給開始年齢の選択肢の75歳への拡大、在職老齢年金制度での64歳迄の収入基準額(月額)の47万円への引上げ、確定拠出年金の加入上限年齢の引上げ(個人型は60歳未満から65歳未満へ、企業型は65歳未満から70歳未満へ)等、長寿時代の中で長く働くことを支援する選択肢が広がっています。

厚生労働者の想定するモデル世帯(会社員)について妻が働くことに加え夫も長く働くことが老後の資産形成に効果的であることを見てきましたが、これらの制度をうまく活用しながら長く働くことの効果は、自営業等モデル世帯以外にも当てはまります。

                           CFP 岩船康則

アフターコロナを見据えての株式投資

新型コロナウイルスの世界経済への影響はリーマンショックの比ではなく、
1929年の世界恐慌に匹敵するとみられてます。
当時の株式市場は米国の株価指標でみると恐慌前の水準に戻るまで25年かかってます。
ただし、当時に比較して今回は大規模な金融緩和などもあり、株価の戻りも早いとみられます。
また、このような状況の後には社会構造がそのまま元に戻るのではなく、大きく変化しています。

今回のコロナショックでも新しい社会構造、生活様式が生まれると思います。 5月4日に厚労省より新型コロナウイルス感染症専門家会議からの提言を踏まえた、 「新しい生活様式」が提言されました。

その提言のひとつである働き方の新しいスタイルとして、テレワークやオンライン会議があり、 既に実践されている会社も多数みられます。

このテレワークというスタイルは新型コロナ終息後も継続して採用される可能性が高いと思います。

友達が働いている会社では、テレワークそのものの環境があったのですが、
実際には少人数での対応を想定した設備環境などだったりで、 いざ、全社的に動かしてみると、当初は通信速度など支障をきたしているとのことで設備増強をしたとの声も聞きました。
現在の状況では、週に1回会社に出社して、その他は在宅で勤務とかもよくある例だと思います。
そのような働き方が新型コロナ終息後も通常の仕事スタイルとなっている可能性が高いです。

また今のテレワーク環境はとりあえずということで、セキュリティ面からは万全ではないということも言われてます。

今回緊急事態宣言解除となったあとにも、第2波、第3波が訪れるの可能性も高とも予想されており、 会社及び自宅でのネット環境をより良くしておくことが求められると思われます。

このような環境下では、オンラインによる仕事を支援するような企業の伸びが期待出来ます。
関連銘柄にはいろいろあると思いますが、今回のブログでは私が一番注目している会社についてご紹介したいと思います。

それは 銘柄コード3774 「インターネットイニシアティブ」(略称 IIJ)という会社です。
この会社は日本で最初にインターネットを商用化した会社です。
会社紹介ページによるとIIJのサービスは現在、大手企業や官公庁を中心に約12,000社の法人に導入されており、 各業界のトップ10企業に対するサービスの浸透率は、80%以上とのことです。
個人向けサービスではスマホのSIMフリーの事業で個人向けインターネットサービス「IIJmio」というものをやってますが、 会社全体としては売上の8割以上が企業向けサービスですので、名前を知らない人も多いかもしれません。
そこは、逆に投資のチャンスであるとも言えます。

先月、会社より下記のような発表がありました。
2020年4月23日のプレスリリースより抜粋
特に2018年12月に提供を開始したIIJフレックスモビリティサービスには、
高い通信品質で快適にテレワークしたいというニーズが強く、 2020年4月20日時点の契約デバイス数累計は5万台超と、 2月末時点と比較しておよそ2.5倍となっています。3月にお申し込みいただいたデバイス数は、 前月までの月平均の申し込み数と比較して約9倍に増えるなど、 お客様の急激な需要の増加が顕著にあらわれています(図1)。
同時にIIJフレックスモビリティサービス トラフィックも、2月後半から、3月、4月と、 倍増するペースでピークが増えており、企業におけるテレワークの導入が急速に進んでいると推測されます(図2)。
https://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2020/pdf/ras.pdf

興味がある方は、是非会社のホームページを見てみてください。
https://www.iij.ad.jp/ir/
くれぐれも実際の投資は自己責任でお願いします。

                           CFP 磯野正美

『パパ休暇』と『育児休業社会保険料免除制度』を利用しよう!

『イクメン』という言葉が聞かれる今日この頃ですが、実態はどうなのかなと調べたところ、
◆「男性の育児休業取得率は低く、取得期間は短い」ことがわかりました

厚生労働省【2018年度雇用均等基本調査】によると、

休業を取得した男性の比率は6.16%で1996年以来最高になったとはいえ、女性の取得率82.2%に比べれば断然低く、2020年に男性の育児休業取得率を13%にするという政府目標には遠く及ばない状況です。

育児休業の取得期間については、女性は9割近くが、6か月以上となっている一方、男性は「5日未満」が36.3%と最も高く、次いで「5 日~2週間未満」 35.1%となっており、2週間未満が7割を超えているのが実態です。(下グラフ参照)

要因としては、

・大企業では、ある程度浸透してきているとはいうものの、大多数の企業では、育休制度が整備されておらず、認知度が低い。

・男性が育児休暇を取りやすい職場環境づくりが不足(人員不足、パタハラ)

・家庭環境でも、男女共働きが増えているが、男性の所得が多いのが一般的。

育児休業給付金で生活費補償がされるとはいえ、月収の5~7割程度(上限あり)で、経済的に厳しい等・・・
が挙げられます。

厚生労働省【2018年度雇用均等調査】より

◆そんなパパさんに是非おススメしたいのが、≪パパ休暇≫と≪育児休業保険料免除制度≫です。

≪パパ 休暇≫を利用すると、育児休業を2回に分けて取得することができ、合わせて≪育児休業保険料免除制度≫をうまく活用することで、1日の育児休業を2回取得しただけで、社会保険料を最大2ヶ月分(月給の約14%×2)と賞与分を節約することが可能になります。                

その具体的なポイントをご紹介しますので、本制度を上手く活用して下さい。

パパ休暇とは?

◆男性の育児休業取得率を向上させるための制度で、家庭の事情などに応じて柔軟な育児休業取得ができるように創設されました。(2009年改正、2010年6月施行)

(労働局 制度のリーフレットより)

育児休業保険料免除制度とは?

◆事業主に「育児休業等取得者申出書」を申請することによって、育児休業をしている間の社会保険料が免除される制度です。

≪免除される期間・条件≫

・免除される期間は、育児休業開始日の属する月から終了日の翌日(=復帰日)が属する月の前月まで。

 ⇒ 条件は、育児休業の開始日と復帰日が月末を挟んでいることです。 *下図をご参照ください。

・社会保険料(健康保険・厚生年金)は1ヶ月単位で計算されるため、保険料の免除も1ヶ月単位で行われます。

≪補足≫

・給与だけでなく賞与にも適用されます。

・免除期間中も被保険者資格に変更はなく、年金額の計算においては保険料が免除となった期間も「保険料を納めた期間」として扱われ、健康保険についても通常通りの給付を受けられます。

手続き等詳細は、下記「日本年金機構」のページをご参照ください。

https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/menjo/20140327-06.html

では、具体的に例をあげてみます。

以下の例は、本制度を詳しく理解するためわずか1日の休暇を2回取得するだけでも社会保険料が2か月分免除される特殊な例です。


(イクメンプロジェクト イラスト↑)

ポイント!

★月末を含んで育休を取得する!

★育休を取るなら賞与月の月末を含む!

上記の例では、育児休業を取得しても、2日の育児休業取得による給料の減額だったため、結果的に手取り額が増えました。

通常、育児休業中は、給料が支払われないので、パパさんが長く育児休業を取得した場合、社会保険料が免除されてもそれ以上に収入減になることもあります。その収入減を一部補填してくれるのが、雇用保険から支給される「育児休業給付金」です。(*受給するためには、資格要件、受給要件があります。ブログ末に補足を掲載)

育児休業給付金は、課税されないので、上記で説明した「育児休業保険料免除制度」と併用すれば、収入減を1割超程度に抑えることが可能となります。

パパが育児休業を積極的に取得することで、産後のママを心身ともにサポートでき、生まれたばかりの子どもと過ごす時間も増えるという期間限定の最大のメリットもあります。 また、育休体験は、その後の人生においても大きなプラス効果があることがコメントされています。

育児休業を支援する制度をうまく活用して、仕事と子育てを両立させてください。

★仕事と子育て両立パパを応援するガイドブックを厚生労働省HPからダウンロードできます。    

https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/09.html

*【育児休業給付金】

 ≪育児休業給付金の受給資格要件:申し出時点≫

① 同一の事業主による連続した1年以上の雇用保険加入期間があること。

② 子 が1歳6か月になるまでに労働契約期間が満了する予定がなく、雇用契約が更新される見込みであること。

③1週間に3日以上勤務していること。       

≪育児休業給付金の受給条件≫  ※育児給付金は非課税です。

【1】雇用保険に加入していること

【2】育児休業前の2年間のうち、1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上あること

【3】育児休業中に、勤務先から1ヵ月に休業前の8割以上の給料が支払われていないこと

【4】休業日数が対象期間中に毎月20日以上あること(※終了日を含む月の場合、1日でも休業日があれば可)

育休中の就業日数が1か月のうち10日以内もしくは80時間以下

【5】育児休業後に働く意思があること

育休中にもらえる給付金の金額は、基本的には「休業開始時の賃金日額×支給日数×67%(6カ月経過後は50%)」で算出されますが、勤務先から賃金の支給がある場合は金額によって割合が変わります。

*2019.8.1現在

育児開始から180日まで   ・・・月給×67%  (上限:304,314円)

181日目~育休最終日まで ・・・月給×50%  (上限:227,100円)

・育児休業給付Q&A (厚労省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html

                      CFP 石黒 貴子

40年ぶりの相続法改正!来月から施行される「配偶者居住権」って?

「配偶者居住権の創設」が令和2年(2020年)4月に施行されます。相続法の改正は、昭和55年(1980年)以来の事です。

■̻相続法改正の経緯

事の発端は、法案成立からさかのぼる事5年、平成25年(2013年)9月に最高裁が、民法900条4号のただし書き、即ち非嫡出子※1の相続分が嫡出子(と同等ではなく)の2分の1であるとした記述、は違憲であると決定した事でした。

これを受けて、同年12月に民法が改正され、違憲のただし書き部分は削除され、非嫡出子の相続分が嫡出子の相続分と同等となりました。しかし、この民法改正が及ぼす社会的影響や配偶者保護の観点から相続法制の見直しが必要となったのです。その後議論を重ねて、平成30年(2018年)7月に「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案」及び「法務局における遺言書の保管等に関する法律案」が可決・成立されました。これが今回の相続法改正です。平成31年(2019年)1月13日から段階的に施行されています。

 (※1「非嫡出子(嫡出でない子)」とは法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子のこと。いわゆる「未婚の母」のほか、婚姻届けを出していない事実婚の夫婦の子も含みます。)

詳しくは「法務省/相続税法の改正」

https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2019/explanation/pdf/p0492-0509.pdf 

■相続法改正の主な内容

  1. 配偶者居住権の創設-令和2年(2020年)4月1日施行
  2. 婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与等に関する優遇措置-令和1年(2019年)7月1日施行
  3. 預貯金の仮払い制度の創設-令和1年(2019年) 7月1日施行
  4. 自筆証書遺言の方式緩和-平成31年(2019年)1月13日施行
  5. 法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設-令和2年(2020年)7月1日施行
  6. 遺留分制度の見直し-令和1年(2019年)7月1日施行
  7. 特別の寄与の制度の創設-令和1年(2019年)7月1日施行

■配偶者居住権とは

「配偶者が相続開始時に居住していた建物(亡くなった配偶者所有)を、残された配偶者の生存中は(または一定期間)無償で居住できる権利」です。

出典:政府広報オンラインhttps://www.gov-online.go.jp/useful/article/201809/1.html

【改正前】

相続開始後の配偶者の居住の権利を保証する規定はなく、高齢になった配偶者が、自宅所有者である配偶者の死亡により居住場所をなくすおそれがありました。

また、金融資産が少ない場合、配偶者が自宅所有権を遺産分割で取得すると、他の資産(金融資産等)をもらえなくなることもありました。

上の図のように、遺産総額5,000万円の場合、妻の法定相続分が2分の1、2,500万円ですから、自宅(2,000万円)を受け取ると、自動的に預貯金の相続分は500万円。妻の余命や資産状況、親子関係によっては、今後の生活に向けて不安が残ります。現金を得るために自宅を売却しても、高齢での新居探しに苦労することも少なくありません。

【改正後】

建物についての権利を、「負担付き所有権」と「配偶者居住権」に分けることができるようになりました。配偶者が「配偶者居住権」を、配偶者以外の相続人が「負担付きの所有権」を取得することで、妻は配偶者居住権と預貯金1,500万円(配偶者居住権1,000万円の場合)を受け取れますから、住まいも生活費も確保され安心です。

■配偶者居住権のメリットとデメリット

〇メリット

・以前からその自宅に住んでいた配偶者であれば、生きている間ずっと住み続けられます。遺産分割協議等により、配偶者の居住期間を定めることも可能です。

・残された配偶者は自宅での居住を継続しながら、その他の財産も取得できます。

・残された配偶者が亡くなった時、「配偶者居住権」に相続税は課税されず、「負担付き所有権」を持つ所有者は相続税の負担なく自宅を完全に所有できることになります。

【ここがポイント】残された配偶者が亡くなった場合、配偶者居住権は消滅します。権利の消滅であり、自宅所有者の相続発生とはならないため、相続税は課税されません。ケースによっては、相続税対策の手段の1つにもなります。

▲デメリット

・居住権を第三者に譲渡することはできません。

・建物を第三者に貸すことや売却はできません。

【ここがポイント】将来、老人ホームに入居したい等心境や状況の変化がおこった場合、勝手に売却することはできない事は留意点です。

■配偶者居住権の設定

 遺言・遺産分割協議・家庭裁判所の決定のいずれかによって成立します。その際、配偶者居住権を不動産登記する必要があります。配偶者居住権の評価方法は、自宅にあとどれくらい住む事ができるかを考慮し、建物・土地の評価額・建物の耐用年数・残された配偶者の余命等から算出します。配偶者居住権について遺言に記す場合など、事前に専門家にご相談の上、内容をよく理解して進めることが大切です。

■まとめ

 この40年間、高齢化が急速に進み、要介護の高齢者や高齢での再婚者も増加しました。家族の在り方に関する国民意識の変化や、相続を取り巻く様々な問題に対応する事を目的とした改正ですが、特に残された人の生活を守る傾向が強くなっています。多様化する家族の形、残された家族の関係が円満なケースばかりではない社会を映しているとも言えるでしょうか…。

 最後に、この相続法改正と同じ平成30年に、内閣府が全国の60歳以上の男女3,000人に行なった「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」を紹介します。「身体が虚弱化した時に住みたい住宅は」という何とも身につまされる質問についての回答です。

自宅にずっと住み続けたいという方が多いですね。

皆様ご自身はいかがでしょうか?そして親御さまは?                        

将来の事、相続の事など、ご家族で話すきっかけにして頂ければ幸いです。

2020年3月

AFP 依田いずみ

「老後資金・2千万円問題」を考える

『老後資金・2千万円問題』と聞いて、「ああ、あの事か」と頭に浮かぶ方は多いだろう。

2019年6月3日に、金融庁の「市場ワーキング・グループ」が公表した報告書「高齢社会における資産形成・管理」(以下、報告書と記す)に記載されている「老後の資金は、2千万円不足する」と言う文言に、世間が大炎上した一件である。

報告書発表時は、出来栄えに胸を張っていた麻生太郎・金融担当大臣が、各方面の批判から、6月11日には一転して正式報告書としては受理しないこととなった。
既に8か月前の出来事であり、発表当時種々のマスコミでも取り上げられているが、今一度報告書の内容を読み返してみた。

報告書は金融庁のホームページに、今でも掲載されているので、興味のある方はご一読ください。https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/base.html

(金融庁ホームページトップ⇒金融制度等(審議会・研究会等)⇒金融審議会⇒答申・報告書等)

この報告書は、①報告書本体、②資料、③概要の3つから成り立ち、全部で56ページ有る。さらに別紙と参考資料が各1部付随されている。

ワーキング・グループは20数名から構成され、大学教授・新聞等のマスコミ関係者、金融会社、FPと多彩な顔ぶれである。

1) 報 告書概要

少し長くなるが、報告書の概要を以下に述べる。

報告書は3つの部分:

1.現状整理(高齢社会と取り巻く環境変化)

2.基本的な視点及び考え方

3.考えられる対応 

から成る構成である。それぞれの内容を要約すると:

1.現状整理(高齢社会と取り巻く環境変化)

この章では、高齢化社会に向かい:

①  健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されない期間)と平均余命の間の期間の、金銭面での対応の必要性。

② 単身世帯の増加や認知症の増加による、今まで標準と考えられてきたモデル ケースの急激な変化

と言う環境変化の側面を論じ、次に:

③ 景気停滞による賃金の伸び悩みや退職金額の減少による、高齢世帯の収入低下

④ 高齢者の就労継続

から、収入の減少はあるものの、依然シニア層の金融資産保有率は若年層よりは高くなっていることを指摘している。

老後の生活で年金収入から不足する分、金融資産を取り崩さざるを得ないのが現実だが、一方で資産寿命を延ばすためには運用(投資)が必要と思っていても、いざ投資をするとなるとなかなか実行できず、意識と行動の乖離がある。

2.基本的な視点及び考え方

この章では1章で論じた、取り巻く環境の変化を踏まえて、備えるべきこととして:

① 自分のライフプランを見つめ直し、自分自身の状況(収入・支出・保有財産等)を『見える化』することが重要。

② 年金金額の減少も視野に入れつつ、年金収入から不足する金額の充填を考えなければならない。それには、資産寿命を延ばす必要がある。

③ 併せて、認知症罹患リスクも考える必要がある。

3.考えられる対応

個人および金融サービス側についての必要な対応を述べている。

① 個人については、各人生ステージに対して、資産寿命を延ばすために備えるために知っておくべき対応の助言を行い。

② 金融サービス側へは、顧客サポートを顧客の年齢層別に提言している。
基本は『顧客本位』であること。

③ 資産寿命延長のための環境整備として、つみたてNISAやiDeco*1の更なる普及と改善を提言している。また若年層の金融リテラシー向上のための施策や高齢顧客保護にも触れている。

この報告書自体、何らおかしいことは言っておらず、極々真っ当な内容である。

特に1章・2章はFPが、顧客にライフプランの相談に乗る際の『定石』とも言える論法だ。それでは、何故炎上したのかを考えてみたい。

2)なぜ炎上したのか?

「30年で約2,000万円の(貯蓄の)取崩しが必要となる。」(1.現状整理 (3)金融資産の保有状況の項に記載)の一文が、やはり読者に一撃を与えたと想像される。

一方、2,000万円の貯蓄の取り崩しが必要となる根拠は、理路整然としている。

曰く:

・リタイヤ後の収入と支出の差額(赤字額)は月に平均約54,520円(年額で約65万円)である。

                 ↓

・リタイヤを60歳として、90歳まで生きるとして30年間に赤字額は、
65万円/年×30年=1,950万円(約2,000万円)

                 ↓

・よって30年で約2,000万円の貯蓄の取り崩しが必要。

3)平均値の錯覚

「2,000万円問題」が世間で炎上した際、月に約5万4千円不足するという根拠について指摘されることが多かった。

不足する5万円の根拠は、報告書の10ページに載っている『第21回市場ワーキング・グループ(厚生労働省)』からの引用図である。(なぜか、この図は非常に見難い)

高齢夫婦無職世帯(元サラリーマンの夫と専業主婦の妻)の収入は、主に年金収入で209,198円。それに対し支出は、263,718円。

差し引き263,718円 - 209,198円= 54,520円の赤字。

つまり貯蓄を取り崩すことになる。とここまでは、単なる計算式。

問題は、収入と支出の出所で、元ネタは総務省の家計調査(2017年)とある。

さらに元ネタに遡ると、調査対象の平均値を用いている。

この平均値が、実は曲者なのである。

一見すると、平均値は全体の真ん中を表していると思われがちだが、統計の内容によっては『真ん中の値』を必ずしも表していない場合がある。

統計学には、分布の単純平均である平均値と、分布の真ん中を示す中央値がある。

下の図のように、対象とする分布が左右対称である場合(正規分布)には、平均値と中央値は一致するが、非対称の分布では平均値と中央値は乖離する。

世帯収入や貯蓄額の分布は、左右非対称となるようだ。(少数の富裕層が平均値を押し上げるのが、世の中の習わし)

実例として、下図は二人以上世帯の金融財産保有状況である。

2019年の金融財産の平均値は、1,139万円に対し、中央値は419万円と倍以上の開きがある。本質的に、人それぞれで異なる収入や支出を一つの平均値で語ったところに無理があった。(報告書の中の高齢夫婦無職世帯の支出でも、持ち家を前提にしている。 借家だった場合は更に支出は増えることになる。)

4)年金は「100年安心」?

それでは、平均値を使って計算したことが問題の本質なのであろうか?

2,000万円ではなく、1,000万円不足すると言えば炎上しなかったのか?

以下は、筆者の個人的見解として聞いていただきたい。

2,004年の公的年金制度改革の際に、連合政権下の公明党所属の坂口厚生労働大臣(当時)が「年金百年安心プラン」を提唱した。

現在の年金制度は、現役世代から徴収した保険料でリタイヤした世代を支える、言わば「仕送り方式」(正式には賦課方式)である。

少子高齢化で現役世代が減少し、反対に年金をもらうリタイヤ世代の数も年金を受け取る年数も増加すれば、当然年金制度の維持は苦しくなってゆく。*2

その点を野党に突かれた安倍首相は、昨年6月の参議院決算委員会で「マクロ経済スライドにより、百年安心の制度ができた」と訴えた。

マクロ経済スライドとは、年金加入者(現役世代)の減少や平均寿命の延び、および社会の経済状況を考慮し、年金の給付金額をカットする制度のことだから、年金制度を維持する代わりに、給付額は減らすと言っているも同じである。

現に、安倍首相も「100年安心は仕組みとして確保する」と国会で強調した。

すなわち裏を返せば、年金制度は継続可能だが中味(支給額や支給開始年齢)は変わる可能性があると言っている。

一方、「百年安心な年金制度」と聞いた一般国民は、年金制度の持続性に安心すると共に、年金さえあれば老後の生活は安心だと勘違いしたのでは無いだろうか。

と言っては言い過ぎであれば、薄々老後の生活には具体的な金額のイメージは無いまま、年金以外の蓄えが必要だと思っていたところに、年金制度は安心だと言われて、老後の蓄えの必要性が心の隅に押しやられてしまったのかも知れない。

そんな中で、報告書が老後の資金は2千万円不足すると具体的な金額(しかも決して少額ではない)を、さも当たり前のように記載したため、炎上したのだろう。

ただ、炎上したおかげ(?)で、老後の資金に対して世間の目が向いたことも事実で ある。実際、報告書発表後に個人型確定拠出年金(iDeco)の口座開設数が増加したそうである。

これを契機に、自分の老後の資金計画を振り返ってみてはどうだろう。

誰が何と計算しようが、自分の老後資金計画は自分で立てなければならない。

収入に合わせた支出(生活)が必要で、収入より支出が多くなれば、蓄えを取り崩すことは必然である。

蓄えが底を突いてから、慌てることがないように、前もって老後の計画を立てておくことが肝要だ。

新型コロナウィルスについて「正しく恐れる」必要があるのと同様に、老後資金については「正しく心配する」ことが必要だ。FPのアドバイスを受けるのも一つの方法で ある。

*1 iDeco :個人型確定拠出年金

*2 実際は年金資金の半分は税金(公庫)で賄われてるが、苦しいことに変わりはない。

                              AFP 前川敏郎