確定拠出年金、最近の商品ラインアップ

少し前の話ですが、201569日の日本経済新聞電子版に「確定拠出年金、利回り最高 

 14年度4.8%」という記事が出ました。

 …………株高と円安を追い風に、従業員が自ら運用する確定拠出年金の運用成績が改善している。2014年度末までの通算の利回りは年率換算で4.8%と、前年度から約1.6ポイント上昇して過去最高となった。ほぼすべての加入者で元本割れが解消した。加入者によって利回りの格差も目立っており、運用の巧拙が老後の生活資金を左右する傾向が強まりそうだ。…………

 日経によると、実際に確定拠出年金加入者の20153月末時点の通算利回りを年率換算すると、01%未満が全体の約4割を占めている一方で、年利5%以上で年金資産を増やしている加入者も約4割となっています。また年利換算10%超の運用をしている人も全体の18%となっているようです。(アベノミクス効果ですね!)

この記事を読んだ人は、「えっ、定期預金なんかで全部運用しているの?」と思ったか「みんなすごい!」と焦ったか、みなさんはどちらでしたか?

 ■バランス型ファンド

では「何で運用したらいいの?」「値動きに一喜一憂するのは無理!」という方も多いかと思います。

そこで最近の商品ラインアップは、こうした人達の為に、プロにお任せするタイプの「バランス型ファンド」といわれる商品を増やしています。バランス型ファンドは1本で分散投資ができ、リスクを抑え、プロがバランスをコントロールしてくれる商品です。

今回はその中のターゲットイヤー型という商品について紹介したいと思います。

 そもそも確定拠出年金は、退職後の生活を支える老後資金を積み立てるものです。

通常、資産配分は ①退職までの期間 ②確定拠出年金以外の資産の大きさ ③個人の投資に対する考え方 から、それぞれ自分に合った割合で分散投資するのが好ましいと言われています。

ターゲットイヤー型はこの①を満たす商品です。若年世代にはリスクリターンの高い商品に配分を多く、リタイアメント世代になるにつれて安全資産に配分を移していく商品です。

また株式、債権と違う動きをするリートも資産の中に組み込まれていることもあります。

運用期間中、株式下落リスク抑制機能をもたせていますので安心ともいえますが、プロにお任せの分、信託報酬が高めに設定されています。

 少なくとも「定期預金、保険商品だけで運用して01%」という方は、こうしたバランス型商品も考えてみてはいかがでしょうか?

また、他に資産があるし、手数料を考えると自分で配分決定したいということでしたら、

上記①~③で自分に合った資産配分を決めた後に、 ①主要投資対象 (国内債券・国内株式・海外債権・海外株式・バランス型) ②運用スタイル(パッシブ・アクティブ) ③手数料 のように①~③の順に商品選択するのがポイントです。

 ちなみに公的年金の運用をしているGPIFの配分(国内債券35%・国内株式25%・外国債券15%・外国株式25%)など参考にしつつ決めるのもいいかもしれません。

                                       DCプランナー 佐藤 広子