FP相談について

初めまして4月よりFPみらいに入会致しました児美川(コミガワ)です。

どうぞよろしくお願い致します。

今回はFP相談とはどのようなことを相談できるのかについて解説していきます。

今やFPの存在は世の中で当たり前になりましたが、実際に相談するかと言われればあまりなされていない方が多いと思います。

人生でお金が絡まないことは基本的にありませんが、

FPに相談するのは敷居が高いイメージがありますので、今回の記事でそのイメージを払拭出来ればと思います。

気軽に相談できるようなきっかけとして記事を作成しましたので、最後までご覧頂き、実際にFPに相談して頂ければ幸いです。

【FPの概要】

そもそも論になってしまいますが、まずはFPとは何かについて説明していきます。

FPとは、将来の夢や目標に向けて、金融、税金、不動産、保険、資産運用、相続等の知識を用いて人生設計をサポートするパートナーです。

現在の資産状況やキャッシュ・フローを分析し、将来に必要なお金を試算したり 家計の収支を見直す等のアドバイスを定期的にしていくのが主な業務となります。

FPの相談内容は大まかに分けると6分野となりますが、メインとなる業務はライフプランニングとなります。

ライフプランニング

業務例:バランスシート・キャッシュフロー表作成、住宅ローン計算、年金試算、家計見直しetc.

保険

業務例:保険見直し分析、損害保険・生命保険契約etc.

資産運用

業務例:投資資産分析、投資アドバイスetc.

税金

業務例:所得税・住民税計算、確定申告のアドバイスetc.

不動産

業務例:不動産評価、不動産売買仲介業務etc.

相続・贈与

業務例:相続税・贈与税の試算、生前贈与のアドバイス、エンディングプラン作成etc.

FPは独占業務ではないので、ライフプランニングに関する業務は誰でも行うことが出来ますが、

それ以外の5分野については専門の資格が必要となります。

相談した内容によっては、FPが対応できない場合がありますので注意しましょう。

<専門資格例>

  1. 保険:損害保険募集人、生命保険募集人
  2. 資産運用:証券外務員(FP経由で金融商品を購入する場合)
  3. 税金:税理士
  4. 不動産:宅地建物取引士
  5. 相続・贈与:司法書士、行政書士、弁護士

FPの資格を持っている方は、そのほとんどが上記の資格のどれかを持っているダブルライセンスで業務を行っておりますので、

担当となったFPがどの分野の専門資格を持っていて、どの分野が得意なのかは相談する前にチェックしておきましょう。

ちなみにFPの資格は全部で5つあり、国家資格であるFP技能士1・2・3級、民間資格であるAFPとCFPがあります。

主にライフプランニングを業務として行っているFPは、AFPかCFPの資格を持っていることがほとんどです。

CFPはFP資格の最上位であり、定期的な自己学習を怠ると資格剥奪となるので、お金の悩みがある場合はCFPに相談することをお勧めします。

【FP相談の流れ】

それでは、FPに実際に相談した場合に、どのように進んでいくのか各ステップを見ていきましょう。

保険相談や資産運用相談、不動産相談等はライフプラン相談のステップから

今回はFP相談の中でメジャーな「ライフプラン相談」のステップを解説していきますが、保険相談や資産運用相談、不動産相談等はライフプラン相談のステップから派生したり、別のステップとして進んでいくことが多いので今回は割愛します。

流れは以上となります。

ただし、FPによってはSTEP2と3を同時に行う、STEP6は行わず、一回きりで終了とする場合もありますのでご注意下さい。

FPに相談する場合は、一般的には相談費用が発生します。

中には、無料でFP相談をしている人もいますが、多くは保険の提案に付随して行うケースが多いです。

参考までに、日本FP協会の相談費用の調査結果を見てみましょう。

料金はピンキリですが決して安い金額ではないので、とりあえず相談するのではなく、何を相談したいのかを断片的でも結構なので、イメージをした上で相談しましょう。

ちなみに、近くに相談できるFPがいない場合は、

日本FP協会のホームページに「CFP認定者検索システム」がありますので、お住いの地域で検索して探してみましょう。

記事の最後にリンクを貼っておきますので、興味のある方はアクセスしてみて下さい。

【FP相談実例】

このパートでは、CFPである私(児美川)が対応した相談の実例をご紹介していきたいと思います。

実際の資産状況のシミュレーション等はプライバシー保護の観点から載せておりませんのでご了承下さい。

<ケース①:充実したセカンドライフのご提案>

● 相談者名:I様

● 相談概要​​​​​​​ 

 ①​​​​​​​保険の棚卸し​​​​​​​​​​​​​​

 ②退職金の使途(貯蓄・投資の運用方法)

● 相談結果

 ①契約している生命保険を解約

 ②終身型医療保険を契約

 ③NISAと純金積立を検討

 ④持ち家を賃貸物件と貸し出し、自分も賃貸物件に移ることを検討

​​​​​​​● 結果詳細

保険の見直しについては、見直しの目的が明確化していたのでアドバイスを実施した。

国内生命保険会社の生命保険を契約しており、5歳刻みで保険料が上がる更新型の保険だったので、 この契約を解約し、終身型医療保険を契約。

退職金の運用については資産運用の経験がなかったため、NISA制度と純金積立をアドバイス。

純金積立に興味を持って頂いたので、定年まで残り1年半の間に検討していく。

当初の相談予定にはなかったが、住んでいるマイホームについても不安を感じていたので、リバースモーゲージやマイホームを賃貸物件にして、自分も賃貸物件を借りて相殺させることもアドバイスをした。

<ケース②:若い世代の住宅購入についてのご相談>

● 相談者名:I様

● 相談概要

 ①住宅購入の予算

● 相談結果

 ①住宅購入予算のシミュレーション

 ②自動車保険と火災保険契約

● 結果詳細

児美川に相談する前に住宅メーカーのFPに相談していたが、結局住宅購入への誘導のような応対だったのでFPに疑念を持っていたが、

家計のキャッシュ・フローやバランスシートの情報を基に住宅購入予算のシミュレーションを実施した結果、好評を頂いた。

そして、半年後に新築の一戸建てを購入。

また、追加で自動車保険と火災保険を切り替えて頂く。

ご家族の学資保険やがん保険の相談も今後したいとおっしゃっていた。

<ケース③:明るい未来のために>

● 相談者名:N様

● 相談概要

 ①起業における将来ライフプランの見通し

● 相談結果

 ①青色申告による節税対策

 ②奥様を経営会社の社員とする

● 結果詳細

コロナ禍で会社から独立をした相談者だったが、収入の見通しが立たない中で、 住宅ローンや子供の教育費が払えるか心配していた。

仕事は輸入した自動車の販売を行っており、退職した会社から仕事を請け負う形態となっており、

最低限の収入の保障があるが、歩合制のため収入が安定しないことに常に不安を抱えていた。

奥様がパートでエステの仕事をしていたので、相談者と一緒に働くことでダブルインカムを強化することをアドバイス。

また、青色申告制度と青色申告専従者給与による事業所得の節税対策をレクチャーすることで、相談者がどんどん元気になっていった。

​​​​​​​

【まとめ】

FP相談についていかがでしたでしょうか。

FPの知名度は高いですが、実際にFPに相談してみたという人はまだまだ少ないのが現状なので、

この記事がきっかけでご相談の機会が増えれば嬉しい限りです。

お金は私たちの生活の中で切っても切れない関係にありますので、FPを活用して是非とも豊かな生活を築いていきましょう。

https://www.jafp.or.jp/confer/search/cfp/

な~んだ、そうなんだ!納得のつみたて術(投資信託の運用の巻)」 ~4タイプのファンドマネージャー登場~

将来の資産運用にiDeCo、つみたてNISAを活用される方が増えています。投資信託の長期積み立てです。投資信託とは投資(運用)する代わりに、専門家にお願いする商品です。手数料がかかりますが、「卵をひとつのカゴに盛るな」(分散)を基にして、たくさんの銘柄をバランスよく買い付けてくれます。その銘柄を厳選するのが運用責任者であるファンドマネージャーです。専門家です。しかし、長期積み立てを始めるにはたくさんの投資信託から皆さまは個別の商品を選択しなくてはなりません。正直、迷ってしまいます。そこで、銘柄選択の糸口になればと商品の特徴である「運用」についてお話しします。それでは「投資信託の運用の巻」を紐解きしましょう。

🔳はじめの章

投資信託は運用方針で大きくふたつに分けられます。
市場に連動し、リターンの獲得を目指すパッシブ運用型と積極的にリターンの獲得を目指すアクティブ運用型です。

約6000本の投資信託から金融庁が厳選した「つみたてNISA」対象商品を運用方針別にまとめた図①をご覧ください。186本(ETFは除く)の投資信託です。

出典:2020/12/23 金融庁HPつみたてNISA対象商品届出一覧を筆者加工

指数とは取引所全体や特定の銘柄グループの株価の動きを数値化して表したものです。数字だと値動きがよくわかります。代表的なものは国内ではよく経済ニュースで耳にするおなじみの日経平均株価(東証一部上場企業の中から日本経済新聞社が決めた225銘柄の株価を平均した指数)、TOPIX(東証一部上場企業の全銘柄の時価総額を平均した指数)などがあります。つみたてNISA対象商品には海外の指数も含まれています。

さて、インデックス、アクティブ、バランスとカタカナの用語が出てきました。図①をもとに一つずつ説明します。気になるファンドマネージャーはどんなお仕事をするのでしょうか?

🔳一の章 インデックスファンド(パッシブ運用型)

市場に連動して利益を獲得するパッシブ運用の投資信託です。理解しやすいように身近なもので例えてみましょう。「野菜」をイメージして下さい。

野菜全種を取り扱うファンド・・・ここに野菜の世界だけを指数(基準値・ベンチマーク)とする投資信託があります。単一指数の「野菜インデックスファンド」です。野菜の世界と同じ割合(比率)にしたミニ版を技術的手法で籠に盛ります。その籠、ミニ版を作成し、厳しく管理するのはファンドマネージャーです。

その籠を一つの単位として、売ったり、買ったり(運用)します。籠の数、価格が増減しても、中身が管理されているので、日々変動する野菜の世界と同じように「野菜インデックスファンド」も変動します。運用は主にコンピューターにまかせるので、手数料は安くなります。

実際のインデックスファンドは前述の日経平均株価やTOPIXなどを基準値(単一指数)としてそれに連動するように運用する投資信託です。

つまり、日経平均株価を基準値ベンチマーク(目標)とするものは、東証一部から選ばれた225社すべてを同時に買ったり、同時に売ったりすることになります。

インデックスファンドの総資産(基準価額)の動きは日経平均株価に連動します。ファンドには配当金や手数料が生じるため、若干誤差が出ますが、おおむね、同じように変動します。

個別銘柄の経営成績如何にかかわらず、日経平均株価に選ばれた225社を平均的に買ったり、売ったりします。そのため経営成績が悪い会社も良い会社も関係なく同じように売買します。経済変動に新たな施策などは行いません。収益を強く望む人は物足りないと感じるかもしれません。しかし、長期的には意外ではありますが、アクティブ運用の投資信託(ファンド)に「勝つ」といわれています。

🔳二の章 アクティブファンド(アクティブ運用型)

あらゆる手段で、常にリターン(利益)を追求します。日経平均株価やTOPIXなどの基準値ベンチマークを上回るように運用を心がける投資信託です。具体的にどはのように運用するのかをまた、野菜に例えてお話しします。ここに「野菜アクティブグローバルファンド」があります。野菜の詰め合わせパックの売買だったインデックスファンドと違って、「野菜アクティブグローバルブファンド」は野菜の個別売買を実施します。運用成績を上げるため、人海戦術で会社訪問や詳細な企業経営分析を行い会議後、ファンドマネージャーが決定します。将来価格が上がると思われるもの買い、下がるものを売ります。はじめにカボチャ(社)、玉ねぎ(社)、ピーマン(社)を買い増し、大根(社)を売ります。次は、・・・・という具合に運用します。野菜の世界(株式市場)の基準値を上回るように運用を心がける投資信託です。

投資家から預かった現金の使いどころがポイントです。

しかし、実際は、基準値を上回るアクティブファンドは少ないようです。それは、

人海戦術・・・つまり人件費、交通費などのため、コスト(手数料)が非常にかかるからです。運用責任者であるファンドマネージャーの実力が色濃く反映するファンドです。そんな努力のたまものアクティブ運用ファンドの売買も野菜の世界、いわゆる日経平均株価やトピックスの市場の変動に吸収され、長期的には、コスト安のインデックスファンドが有利となってしまう、のでしょうか。

🔳三の章 固定バランスファンド(パッシブ運用型)

投資信託だけでも、分散効果はあるのに、バランスファンドは値動きの異なる複数の投資対象にさらに分散投資します。ずーと同じ比率で運用します。例えば、資産Aを25%,資産Bを25%,資産Cを25%,資産Dを25%,の4つの指数のバランスファンドがあります。

お互いが逆の値動きをする資産A(国内株式インデックスファンド)と資産B(国内債券インデックスファンド)そして、同じくお互いが逆の値動きをする資産C(海外株式インデックスファンド)と、資産D(海外債券インデックスファンド)に投資します。その結果、値動きが打ち消し合い、リスクを抑える効果でバランスファンドはなだらかな値動きとなります。分散の分散、つまり二重の分散効果が期待できます。しかし、悪く言えば、足の引っ張り合いで、強く利益を追求できないことにもなります。各資産はそれぞれのベンチマークに連動して運用されている大きなインデックスァンドに投資します。25%の比率を守りながら、各資産に投資(売買)をします。その割合を頑固に守るのは、ファンドマネージャーです。ファンドは期間経過とともに、比率が変化します。そこで、あるタイミングでリバランスを実施します。リバランスとは増減した比率を元に戻すことです。一見、無駄な行為のように思えますが、元の割合に戻すということは、割高な資産を売って、割安な資産を買うこと(投資の基本)になるので、効率的にファンドが大きくなります。この頑固な投資信託が固定バランスファンドです。この例は4指数のインデックスバランスファンド(複数指数)です。

リバランスやファンド・オブ・ファンズつまり、投資信託に投資する投資信託のため運用コストが重なり、高くなります。

気になる運用コスト・・・信託報酬(手数料)は、毎日毎日(休日を除く)、どの投資信託からも差し引かれるので、投資信託の当日の基準価額は翌日、または翌々日に発表されます。

つまり、バランスファンドは二重にコストがかかることになります。そのコストはインデックス<バランス<アクティブの順に増していきます。

🔳四の章 変動バランスファンド(アクティブ運用型)

経済状態を加味しながら、積極的にリターンを求めるために比率を変化させるアクティブ型バランスファンドもあります。前述の固定バランスファンドはインデックスファンドが対象資産でしたが、この変動バランスファンドの資産はあらゆるファンドが投資対象です。自由度が増します。ある時期、株高傾向になると判断したら、株式資産の割合を増やし、逆の値動きをする債券資産を減らす割合へと変えて、利益を追求する行動をとります。つまり、アクティブ運用です。

決定するのは、やはり、運用責任者であるファンドマネージャーです。さらなるアレンジも可能です。こちらは、その分の手数料が増えるので、固定バランスファンドより運用コストが高くなります。しかし、世の中甘くない。この施策、上手くいかない場合もあります。

🔳おわりの章

4タイプのファンドマネージャーを中心にざっくりと、投資信託を運用別にお話ししました。いかがでしたか? それぞれに一長一短があります。個別の投資信託商品には運用の仕方、対象資産、手数料などが詳細に記載された目論見書があります。じっくりと品定めをして下さい。なお、この目論見書を読まなければ、投資信託商品の購入もできません。投資は元本保証はありません。積み立て投資は長いお付き合いとなりますので、よく吟味し、自分の責任で判断し、商品を選択されてください。このブログが皆様の資産運用の一助になれば幸いです。

     楠本智子 CFP認定者(ファイナンシャル・プランナー)

2021年3月10日

家計相談対応時の資産運用提案方法~各資産クラスの下落リスクを数値化してみる~

新型コロナウイルス感染拡大を受け昨年3月に世界的に株価が急落しましたが、各国の政府や中央銀行の政策対応により株価は上昇し、日経平均は昨年12月29日には約30年ぶりの高値となり、今年に入ってもその上昇傾向は継続し2月15日には、ついに30年半ぶりの3万円の大台に乗せました。

図―1は、1985年から2020年までの日経平均株価と米国のダウ平均株価の推移です。

株価は、長期的には各国のGDPの上昇に連動し上昇しますが、短期的には上昇、下落を繰り返すため、投資のタイミングにより株式投資のリターンは短期的にはブレることになります。株価の短期的な上昇や下落は事前に予測するのは困難です。

図-1日経平均株価と米国ダウ平均株価の長期的な推移

収益を安定化する方法として、長期投資に加え投資タイミングの分散、投資する資産クラスの分散がありますが、この内、投資する資産クラスを分散させることで期待収益率とそのバラツキがどう変化するかを考えてみます。

表-1は、公的年金の積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が公表している各資産クラスの期待収益率、標準偏差及び相関係数です。相関係数とは、2つの資産クラスの値動きの傾向を数値化(+1~-1の範囲)したもので、+1に近い程値動きの連動性が高く、-1に近い程反対の値動き,0に近い程値動きに連動性が無い事を意味します。相関係数がマイナスの資産クラスを組み合わせることで、期待収益率のバラツキを小さくすることが可能になります。

図-2は各資産クラスのリスクとリターンの関係を示しています。外国株式などリスクが大きい資産クラスは期待できるリターンも大きく、国内債券などリスクが小さい資産クラスはリターンも小さい傾向にあり、リスクとリターンは表裏一体の関係にあります。

各資産クラスの期待収益率(名目)、リスク(標準偏差)及びシャープレシオ

  国内債券 外国債券 国内株式 外国株式
期待収益率 0.7% 2.6% 5.6% 7.2%
標準偏差 2.6% 11.9% 23.1% 24.9%
シャープレシオ 0.27 0.22 0.24 0.29

各資産クラスの相関係数

  閣内債券 外国債券 国内株式 外国株式
国内債券 1.00      
外国債券 0.290 1.00    
国内株式 -0.158 0.060 1.00 1.00
外国株式 0.105 0.585 0.643 0.099

表-1 GPIFが運用する各資産クラスの期待収益率、標準偏差、シャープレシオ及び相関係数

注記:表―1の標準偏差及び相関係数は、GPIFがバブル崩壊後の過去25年間の政策ベンチマークの年次データを用いて推計

図-2 各資産クラスのリスクとリターン

図-3は、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式の構成比率を25%づつ変え、低リスク・低リターンの国内債券100%の構成から高リスク・高リターンの海外株式100%の構成までの各資産構成(ポートフォリオ)の期待収益率とリスク(標準偏差)を計算したものです。

金融資産運用におけるリスクとは金融資産の期待収益率のブレの大きさを指し、標準偏差で表します。その数値が大きい程リスクが大きく小さい程リスクは小さいことになります。同じリスクなら期待収益率が大きい程、同じ期待収益率ならリスクが小さい程、効率的な資産運用が可能になります。

図-4に示すとおり、標準偏差(1σ)とはデータのバラツキが正規分布に従うと仮定し、期待値からのプラス方向とマイナス方向のバラツキが68.3%の範囲に収まることを表します。2標準偏差(2σ)は、その範囲が95.5%になります。

最大のブレとして2標準偏差(2σ)を使用する場合、2標準偏差(2σ)の範囲を超えるブレの発生確率はプラス方向もマイナス方向も2.3%(=(100%-95.5%)/2)なります。

図-3で、Ⓐ外国債券75%と国内株式25%の資産構成とⒷ国内債券25%、外国債券25%、国内株式25%、外国株式25%の資産構成は、標準偏差がともに10.8%ですが、期待収益率はⒶが3.4%に対しⒷは4.0%とⒷの方が効率的な資産構成となります。

Ⓒ外国債券75%と外国株式25%の資産構成とⒹ外国債券50%、国内株式25%、外国株式25%の資産構成についても、標準偏差は各々12.3%と12.4%で粗同じですが期待収益率はⒸが3.8%に対しⒹが4.5%とⒹの方が効率的な資産構成となります。

表-1に各資産クラスのシャープレシオの値が示されていますが、シャープレシオとは、リスクに見合うだけのリターンが得られているかの投資効率を図る指標で、期待収益率等の数値を標準偏差で割って求めます。その数値が大きい程、小さなリスクで大きなリターンが得られることを意味します。

各資産クラスのシャープレシオの大きさは、外国株式(0.29)>国内債券(0.27)>国内株式 (0.24)>外国債券(0.22)の順になっていますが、図―3でも資産構成で株式の比率が大きい程、同じリスクでも期待収益率が高く、債券の比率が大きいほど期待収益率は小さくなる傾向が読み取れます。

図ー3 各資産クラスを組み合わせた場合の期待収益率とリスク(標準偏差)

図-4 正規分布曲線

ファイナンシャル・プランナーがお客様からの家計相談に対応する場合、将来に渡っての家計の収入、支出を予測し、毎年の貯蓄残高の推移を表にしたキャッシュフロー表を使用し家計の診断を行います。

将来に備えて、十分な金額の金融資産を確保するためには長く働くことに加え、資産運用も重要になります。

退職後のことを考え始める現在50歳の世帯主が65歳までに老後資金2000万円を確保することを目標に、毎年の収入から支出を引いた残りの金額を資産運用に回す場合を例に、どのようなポートフォリオで資産運用するのが良いかを考えてみます。

図-5は、収入と支出の値として総務省の2019年家計調査報告の「住宅ローン返済世帯 世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)」の数値を使用し、預貯金のみの場合と低リスク・低リターンの国内債券100%から高リスク・高リターンの外国株式100%まで6種類のポートフォリオで資産運用した場合についての50歳から65歳になるまでの金融資産残高の推移を計算したグラフです。緊急資金として必要とされる生活費の3か月から1年分の額は、50歳時点の預貯金を充当すると想定しました。

また、期待収益率のマイナス方向へのバラツキの最悪値として2標準偏差(2σ)を使用し、最悪値のバラツキが発生するタイミングを、その影響が一番大きくなる64歳末の時点としています。表―2はそのキャッシュフロー表です。

結果は、64歳末時点の金融資産残高は預貯金のみの場合と⑥国内債券100%の場合は目標額の2000万円に達していません。それ以外の①~⑤のポートフォリオでは、64歳の時点での金融資産残高に最悪の下振れが発生した場合でも2000万円を超えています。

もう少し詳しくみて見ると、高リスク・高リターンの①のポートフォリオ(外国株式100%)では、63歳時点の金融資産残高は3011万円と一番大きな値となりますが、下振れの幅も4割を超えるため64歳時点では下振れの幅が3割弱にとどまる ③のポートフォリオ(外国債券25%、国内株式25%、外国株式50%)の金融資産残高が上回る結果となり、収益安定化に向けた資産クラスの分散効果が出ています。

図-5 老後資金2000万円確保のため50歳から資産運用を開始した場合の金融資産残高の推移

表-2 老後資金2000万円確保のため50歳から資産運用を開始した場合の金融資産残高の推移(64歳時点で金融資産残高に2σの下振れが発生した場合)

図―5及び表-2の注記
・50歳時点の金融資産残高(483万円)は、「家計の金融行動に関する世論調査」「二人以上世帯」(2019年)の40歳から49歳の中央値と50歳から59歳の中央値を基に算出

ファイナンシャル・プランナーが家計相談の際に資産運用方法の提案を行う場合、
ポートフォリオの 期待収益率だけではなく、リスクを数値化した上で目標とする時期に金融資産に最悪の下振れが発生することも考慮したキャッシュフロー表を作成し最適なポートフォリオを提案することが求められます。

                                               CFP 岩船康則

経済的自由と早期退職のための4%ルールとは?

みなさん、FIRE(ファイア)って聞いたことありますか?

FIREとはFinancial Independence, Retire Earlyの略で経済的自由を得て早期リタイアを目標とするライフスタイルのことです。

米国ミレニアル世代の間で以前からブームになっており、日本でも近年になって関連本などが出版されたこともあり、最近耳にする機会が増えました。

これはお金を貯めて贅沢をして暮らすというより、自由を求めて生活するという生き方です。

本来の定年を迎えて退職後にその資産をどう運用していくかというより、40代、50代、早い人は30代で早期リタイアして生活する。そのために、貯蓄率を高めて必要になるお金を貯めていくという生活スタイルです。

いくら貯めれば働かなくて暮らせるのか?

それが、テーマに上げた4%ルールというものに関係します。

例えば年間240万円の生活費なら240万円÷4%=6000万円

を貯めれば、働かなくても大丈夫ということです。

ちょっとまって!

6000万円貯めても、働かないで毎年240万円取り崩していったら25年で残高ゼロになるんじゃない? って思われるかもしれませんが、確かに貯めたお金を運用しないで
タンス預金にしてたらそうなりますよね。でも、貯めたお金をタンス預金でなく、運用したら結果は変わってくるのです。

古くは、1998年にアメリカのトリニティ大学の教授ら3人が「トリニティ・スタディ
という研究でこんな答えを導きだした。 」

1926年から1995年の70年間を対象期間として株式50%債券50%のポートフォリオ
にして4%取り崩していくと95%の確率で資産が残っている。

この研究テーマは、もともと「Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable」「リタイア貯蓄:持続可能な引き出し率の選択」ということです。

せっかく退職金をもらっても、そこからどのくらい毎年引き出すのが良いのか? 沢山使えば短い期間で退職金が枯渇してしまします。

みなさん、ドルコスト平均法って聞いたことがありますよね。資産形成のために毎月同じ金額を投資していくと、結果的に安い時に沢山買えるので効率よくお金を貯められるというもの。代表的なものに「つみたてNISA」とかがあります。

でも貯めるときに有効な定額積立というのは、実は、取り崩すときには逆にデメリットになるのです。

取り崩しは定額ではなく定率で取り崩すのが理論的には資産が長持ちするのです。

でも、市況が悪化して資産が2割減少したので生活費も2割減で生活するというのも現実的にはちょっと難しいですよね。

そこで、定額で引き出しながら、資産を長持ちさせるにはリタイア時の何%位の資産を毎年引き出して生活するのが良いのかが研究されたのです。

その結果株式50%債券50%でポートフォリオを形成して、毎年4%ずつ引き出すと、95%の確率で30年間資金は枯渇しないとの結果が出たのです。

4%というのは、毎年の残高の4%ではなく、退職時の資産の4%です。先の例であげた年間生活費が240万円で6000万円貯めた人は毎年240万円ずつ取り崩していくということです。

でも、95%の確立で大丈夫ってことは、20人に1人はダメなひともいるということ。

ここで、確率論が出てくるのは西暦何年に退職したかによって、実際は成果が異なるからです。

退職時が不況期だと、株式市況も低迷、そんなとき定額で引き出すと、市況悪化によって元本が目減りしているときに引き出すので、元本に対する引き出し率が大きくなってしまいます。

その結果、その後好況となって株式市況とかが好転しても、元金を減らしてしまっているので、市況好転の恩恵を十分に受けられなくなってしまいます。

また、40歳で早期リタイアして30年間の保証だと70歳までしかOKじゃないの?

という疑問もわいてきますよね。

それと、データも、そんな25年以上も前のデータじゃ今と違うのでは?

ということで、その後、1981年から2016年までのデータを扱って分析したものもあります。

それによると株式を75%債券25%位で4%ずつ引き出すと30年では99%、60年で85%の確立で資産が残るということです。

ここでいう株式とはS&P500債券はアメリカ国債での検証です。

4%というのも、インフレ率を加味されたおり、実際の米国の過去のインフレ率平均2-3% 運用利回り6-7%で4%ということです。

日本最近の状況だと平均インフレ率は米国より低いので5%位の運用でインフレ率1%と位と想定してもよさそうです。

「FIRE 早期リタイア」 などで検索すると30代で5年後に早期リタイアを目指している人のブログだとか、いろいろ見つかると思います。

完全にリタイアでなくセミリタイアなどという年収を今の半分位でもいいからストレスなく働くという働き方と、この早期リタイアで資産運用との併用なども提案されています。

セミリタイアなら目指す資産は半分ですむから、より現実味を帯びてきます。

先ほどの、年間生活費240万円の例だと6000万円貯めないとリタイア出来ませんでしたが、目標額は3000万円で済むことになります。

「三菱サラリーマン」で検索してみて下さい。

ブログとかが見つかるとおもいますが、三菱系の会社を30歳で早期リタイアしたひとのブログで、昨年下記本も出版してます。

★「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門

  30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法」実務教育出版 

その他にもFIRE関連で主なものを下記にあげておきます。

★「FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド 」

  クリスティー・シェン (著), ブライス・リャン (著), 岩本 正明 (翻訳)

★「FIRE 最速で経済的自立を実現する方法」

   グラント・サバティエ (著), 岩本正明 (翻訳)

CFP 磯野正美

『夫婦共働き世帯の住宅ローンは、どんな組み方があるの?』

男女共同参画白書 令和2年版 | 内閣府男女共同参画局 (gender.go.jp)より抜粋]

上図が示すように夫婦共働き世帯は年々増加し、2012年頃から差が急速に拡大しています。

こうした状況下で、住宅取得費が年々上昇している為、夫だけでなく夫婦の名義あるいは、収入合算で住宅ローンを利用するケースが増えています。

夫婦共働き世帯の住宅ローンの組み方についてご紹介します。

≪住宅ローンの組み方・・・4つのパターン≫

①単独で住宅ローンを組む

②収入合算をして連帯保証型で住宅ローンを組む

③収入合算をして連帯債務型で住宅ローンを組む

④夫婦ペアローンを組む

◆①~④の比較表をまとめてみました。

個別の特徴、メリット、デメリットを補足していきます。

①単独で住宅ローンを組む

・一方(上記表では夫)の収入のみなので借入可能額の上限は少なくなるが、片方(上記表では妻)の収入で住宅以外の必要なお金を貯めることもできる。ライフステージの変化に備えることができる

・出産・育児・介護などで片方(債務者でない方)の収入が減っても返済への影響が少ない。

・ローンの債務者に万が一のことがあった場合、団信を利用することでローン残債は不要となる。

②収入合算(連帯保証)

・夫婦の収入合算なので借入可能額の上限は大きくなる。

・夫婦の一方が、主債務者、もう一方の配偶者が連帯保証人となる。

・団信加入は、主契約者のみなので、連帯保証人に万が一のことがあっても残債は残る。

・連帯保証人は、債務者でないので、「住宅ローン控除」や「すまい給付金」の対象にはならない。

・一般金融機関の収入合算の住宅ローンは、連帯保証タイプ。

③収入合算(連帯債務)

・夫婦の収入合算なので借入可能額の上限は大きくなる。

・夫婦の一方が、主債務者、もう一方の配偶者も同じ債務を連帯して負う。契約は1本。

・連帯債務者は、団信加入はできないので、連帯債務者に万が一のことがあっても残債は残る。
(フラット35の『デュエット』に加入した場合は、住宅ローンの全額が保障される。)

・夫、妻のローン負担割合に合わせて「住宅ローン控除」や「すまい給付金」の対象となる。

・フラット35を利用する収入合算の住宅ローンは、連帯債務タイプ。

④ペアローン

・借入可能額が大きくなる。

・夫と妻のそれぞれの収入に応じた住宅ローンを別々に契約する。金利タイプや期間を個別に選ぶことができる一方で、事務手数料・諸費用が2本分かかる。(同じ金融機関で組むのが前提)

・債務者は、夫と妻の2名。お互いが連帯保証人になる。

・団信は、夫と妻それぞれ加入できるが、各自の借入額に応じた保障となり、一方に万が一のことがあっても片方の残債は残る。

・夫婦各々が「住宅ローン控除」や「すまい給付金制度」を利用できる。

・フラット35でのペアローン取り扱いはない。

夫婦の収入合算・ペアローンで住宅ローンを借りる際のチェックポイント

A)贈与税がかかることがある。

・夫婦で住宅ローンを組む場合、住宅の所有権割合と住宅ローンの負担額が異なると、一方からもう一方へ経済的な利益供与があったとみなされ、贈与税がかかることがある。また夫婦のどちらかがもう一方の返済分を肩代わりした場合も金額によっては贈与税が加算される。

B)借換えが困難になる場合がある。

・ペアローンや収入合算の連帯債務型で住宅ローンを組んだ場合、借入後にどちらかが退職して収入がなくなったり、団信に加入できない健康状態になった場合は、その後の借換えが難しくなることがある。夫・妻のいずれか一方が、借換えに問題がなく、主たる債務者として借り換えることも可能であるが、債務がなくなった方は、利益を得たものとみなされ贈与税の対象となる可能性がある。

C)借入金額は、ライフスタイルの変化や不測の事態による減収も考慮する。

・夫婦収入合算で、限度額一杯まで借りることは避ける。出産・育児・介護等で夫婦どちらか休職するなど返済期間中に様々な要因によって収入が減少した場合、以降の返済は、一方の収入に頼ることになる。また所得税が減少すれば住宅ローン控除を受けるというメリットも少なくなる。

夫婦共同で住宅ローンを組む際は、単独で借りるよりも入念なライフプランや返済計画の検討が必要となる。

D)離婚した場合を想定しておく。

・離婚をすることになったとしても住宅ローンの返済義務はなくならない。夫婦のどちらがその住宅に住み続けるのか、どちらが返済するのか、また借入形態を今後どうするのか、もしくは売却するなど検討する必要がある。ペアローンや連帯債務型では、住宅が夫婦の共有名義になるため、夫婦の意思が一致しないことには売却することができない。場合によっては、弁護士や税理士などを交えて相談し慎重に判断する。

E)どちらかに万が一のことがあった場合の住宅ローン残額について確認し、生命保険の見直しを検討する。

・連帯債務・連帯保証の場合返済を免除すべき事項が起こった場合、残された主債務者に収入を超える金額が請求されることもある。共働きでペアローンを利用する場合、夫に万が一のことがあったときには、妻自身の住宅ローンが残ってしまう。夫の側からしても、妻に万が一のことがあった場合、同様に自分の住宅ローンを返しながら子育てなどを1人で行う可能性もある。これらのことを想定して、生命保険加入・見直しを検討する。残ってしまう住宅ローンの残債分を補完できるようにしておけばどちらが亡くなっても団信と合わせれば夫婦のローン全体をゼロにできる。

・デュエット(「フラット35」を利用してする際に利用できる団信のひとつ)は、夫婦のどちらかが死亡・高度障害状態になった場合に、住宅の持分や返済額等にかかわらず、残りの住宅ローンが 全額弁済される。

2020年12月   CFP 石黒貴子 

えっ?!がんで障害年金が受け取れる?

「障害年金」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?

「重度の障害になった時にもらえる年金…?」「障害者手帳を持っている人の年金…?」

ご存じの通り、公的年金には、老齢年金・遺族年金・障害年金があります。しかし、老齢年金に比べて、障害年金の内容については、あまり知られていません。

今日は、がんと障害年金について、お伝えしたいと思います。

生涯のうちに、日本人の2人に1人がんにかかるといわれます。 国立がん研究センターの「最新がん統計」によると、2017年に新たにがんと診断された方は977,393人となっています。下のグラフは年齢別に表したものです。65歳からの増加が顕著ですが、現役世代の含まれる20歳から64歳の合計は約24.5万人です。

国立がん研究センターがん情報サービス/2.(1)全国がん罹患データ(2016年~2017年)より筆者作成 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl_screening/index.html

また、2009年から2011年にがんと診断された人の5年相対生存率は男女計64.1%(男性62.0%、女性66.9%)との統計もあり、がんと診断された後、治療をしながら、がんと共に生きていく現状がわかります。

■傷病手当金

お勤めの方が、がんなど業務外の病気やけがで、4日以上働くことができなくなり、給与が支給されなかった時のサポートとして、健康保険の傷病手当金があります。要件に該当すれば、全国健康保険協会の場合、休職中の生活保障の為、直前の給与(標準報酬月額)の約3分の2が最長1年6ヶ月支給されます。この期間中、一時的に職場復帰、その後休職を繰り返した場合も支給されます。

■障害年金

健康保険の傷病手当金は最長1年6ヶ月受給できます。このため障害年金の等級に該当する場合、傷病手当金受給後に障害年金を受給することが考えられます。

障害年金は病気やけがによって日常生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方を含めて受け取ることができる年金です。

 障害年金には、「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やけがで初めて医師等(医師または歯科医師(以下「医師等」と表記))の診療を受けた時に国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は、「障害厚生年金」が請求できます。

障害年金を受け取るには、年金の保険料納付状況などの条件が設けられています。(詳しくはこちらをご確認ください。日本年金機構 障害年金制度についてhttps://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/04.pdf

原則として、初診日※1が国民年金あるいは厚生年金の被保険者期間中であり、障害認定日※2に身体の状態が障害と認められる場合、対象となります。

◇※1初診日:障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日のこと。同一の病気やけがで転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となります。

◇※2障害認定日:障害の状態を定める日のことで、その障害の原因となった病気やけがについての初診日から1年6ヶ月を過ぎた日、または1年6ヶ月以内にその病気やけがが治った場合(症状が固定した場合)はその日をいいます。

■障害年金の対象となる病気やけが

手足の障害などの外部障害の他、精神障害やがん、糖尿病などの内部障害も対象になります。

1.外部障害:眼、聴覚、肢体(手足など)の障害など

2.精神障害:統合失調症 うつ病、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害など

3.内部障害:呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がんなど

■がん(悪性新生物)による障害認定基準

 国民年金では障害等級は1級2級、厚生年金では1級2級に加えて3級があります。具体的な障害の状態は、国民年金・厚生年金保険障害認定基準により審査されます。日本年金機構HPで全文が公開されています。(厚生労働省:国民年金法施行令別表 厚生年金保険法施行令別表第1及び第2 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12501000-Nenkinkyoku-Soumuka/0000096303.pdf )

◇注:障害年金の等級は身体障害者手帳の等級とは異なります。
身体障害者手帳は、身体障害者福祉法が定める身体上に障碍がある人を対象に、都道府県や、政令指定都市等が交付する手帳です。この等級は7等級に分かれています。(詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。                                     厚生労働省HP:身体障害者手帳/等級
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000172197.pdf

さて、障害年金に話を戻しましょう。 

 がん(悪性新生物)による障害認定基準は次のように定められています。

■一般状態区分表

出典:日本年金機構 認定基準 第16節 悪性新生物による障害 より
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.files/3-1-16.pdf

がんの場合、人工臓器(人工肛門・新膀胱など)の造設など、目に見える身体の機能の変化だけでなく、 抗がん剤などの薬物治療の副作用による倦怠感(だるさ)や末梢神経障害(しびれ、痛み)、貧血、嘔吐、など、見た目では分かりにくい内部障害の場合でも、その原因ががんの治療によるものであり、現在の仕事に支障をきたすことが認められれば、支給対象になる可能性があります。

■ここがポイント

・がんによる障害は生活や仕事への支障が分かりにくいため、書類の書き方によって受給の可否が分かれることも少なくありません。また、がんという病気の特性上、個々のケースが様々で、初診日の確定など手続きが難しい場合もあります。ご自身やご家族が対象になるかも?と思ったら、主治医、担当看護師、病院の相談室、ソーシャルワーカーに相談し、連携することが大切です。

傷病手当金と障害年金の支給が重複した場合には、傷病手当金の返納が発生しますので、ご注意ください。

・令和2年10月1日から、同一傷病かつ同一初診日で障害年金を再請求する場合の簡素化が図られています。初回請求で不支給となった場合でも、その後症状が悪化したことによる再請求の再審査に、初回に提出した初診日証明書類を用いる事ができるようになりました(個々の事情によります)。

■障害年金についてのよくある質問

Q.受給することで生活に制限を受けますか?

A.生活保護のように生活に制限を受けることはありません。ご自身が自由に使うことができるものです。受給していると働いてはいけないという事もありません。

Q.障害年金を受け取ると、老後の年金が少なくなりますか?

A.老齢年金から差し引かれるという事はありません。

Q.障害者手帳を持っていませんが…

A.障害者手帳の所持が受給要件ではありません。また、障害者手帳の等級と障害年金の等級は別の法律に基づいて定められており、必ずしも一致しません。

■結び

障害年金は、けがによる障害だけでなく、がんなどあらゆる病気が対象となります。また、目に見えて身体の機能が変わった場合だけが申請対象となるものでもありません。思ったよりもずっと身近に、そして心強く感じませんか?

年金というと、老齢年金が注目されがちですが、障害年金は、幅広い年代にとって万が一に支えとなる制度です。保険料の未納で後悔することのないよう、仕組みを理解して納付するよう、若い方たちにも伝えたいですね。

        2020年11月 AFP 依田いずみ

同日得喪って何? 

『同日得喪』と書いて、「どうじつとくそう」と読む。

初めて聞かれた方も多いと思いのではないだろうか。筆者も最近まで聞いたことが無かった。

社会保険の資格に関する用語で、漢字が表わすように、社会保険の資格取得と資格喪失を同じ日に行うという意味だ。

社会保険とは、健康保険(介護保険を含む)と厚生年金保険の総称であるが、社会保険料の決まる仕組みをおさらいしてみよう。

社会保険料は被保険者ごとに決められた「標準報酬月額」に「保険料率」を乗じて毎月の保険料を決定する方式を取っている。被保険者ごとの標準報酬月額は、残業代や通勤費なども含めた1か月の給与額から報酬月額が決まり、報酬月額を「標準報酬月額表」に当てはめて決定する。標準報酬月額表は、ある幅を持った等級に分けられている。健康保険ならば1級から50級、厚生年金保険料は1級から32級に区分けされている。給料が変動し等級が変わると保険料が変わる。給料が変動しても同じ等級であれば、保険料は変わらない仕組みだ。

保険料の変更は、制度として保険料率が変わる場合(厚生年金保険料は平成29年の9月まで毎年保険料率が改定された)と、被保険者の収入が増減し、等級変更で変わる場合がある。

標準報酬月額は、毎年4月から6月までの3か月間の給与額から計算され、各等級に応じて9月分の保険料(10月納付)から見直しになる。これを「定時決定」と言う。

*日本年金機構ホームページより

会社から毎年、報酬月額の決定通知を受取っていても、さほど気にしないでおられる方が大半ではなかろうか。一方、4月から6月以外の期間で給与が大きく変動した場合は「随時改定」の手続きで、標準報酬月額を見直すことになる。(詳細は、『日本年金機構 随時改定』を参照)

 さて前置きが長くなったが、話を同日得喪に戻そう。

定年退職を満60歳と決めている企業は、90%以上とのこと(厚生労働省調べ)だが、60~64歳で働いている人の割合は全体で約66%、男性では79%だそうである。(2017年 総務省「労働力調査」)
また60歳以上の就労者は全就労者人口の20%を占めている。(65歳以上は12.2%)

*平成30年版高齢社会白書(内閣府)より

つまり60歳を超えても、大半の方々が継続して働いているという事だ。

年金が65歳以降でないと満額支給されない現実や、60歳とは言え体力的に働くには十分な健康を保持されている方が多い昨今としては、うなずけることである。

 2013年に改正された『高年齢者雇用安定法』では、65歳までの雇用確保について、各企業に:

 A. 定年制の廃止

  B. 65歳まで定年年齢の引き上げ

  C. 65歳までの継続雇用制度の導入

の3つから選択することを義務付けた。

 2019年の厚生労働省の集計結果によると、再雇用などの継続雇用が78%、定年の引き上げが19%、定年制の廃止が3%となっている。再雇用制度を導入している企業が約8割である。

60歳で定年退職を迎えて仕事を継続する場合、同じ会社で1日の空白も無く、勤務を続けられるケースも少なからずある。2015年の電通総研の調査では、定年後引き続き働いている人のうち、実に過半数(56.6%)が「再雇用契約をして同じ会社やグループ会社」で働いているとのこと。

ただ、同じ会社での再雇用とはいえ、給料は下がる場合が多い。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構「60代の雇用・生活調査」によると、60~69歳の定年後、再雇用によって「賃金額が減少した」と答えた割合は、全体の81%に上るという調査がある。

再雇用の時期によるが、例えば再雇用が7月からスタートし、かつ同じ会社で勤務する場合、昔であれば人事担当者が随時改定を申請しないと、定年退職前の高い給与水準で決まった社会保険料を翌年の10月まで払い続けることとなる。

 随時改定を申請したからと言って安心は出来ない。随時改定では、給与が改定されてから原則4か月後(保険料の支払いは5か月後)から社会保険料が変更されるからだ。

給与が下がったのに、高い保険料を支払うという矛盾を是正するのが『同日得喪』だ。

 同日得喪の手続きを行うことで、60歳以上であれば給与が下がった月から(保険料の変更は翌月から)、ほとんど時間差が無く、即刻変更される有難い制度だ。

この制度は平成25年4月1日施行された、比較的若い制度である。

平成25年4月1日に施行された制度として有名なものに、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)支給開始年齢の段階的引上げがあるが、同日得喪は、この制度改定に伴って施行された背景がある。

 同日得喪が適用される条件は:

(1)60歳以上であること。

(2)定年または定年以外の退職後、再雇用されること。

と、比較的条件としては緩いものだ。

 通常は、会社の人事部門が手続きを行うが、注意しなければならないのは、同じ会社で再雇用される場合である。ともすると、人事部門が気づかず保険料の改訂を怠るケースだ。

筆者の知人も人事部門が保険料を改定せず、退職前の高い保険料が天引きされていた。
同日得喪を指摘し改定されたが、差額が月額数万円にもなったそうである。

社会保険料は事業主と折半で負担するので、事業主にとっても社会保険料が下がるとメリットは有るのだが。

 社会保険全般に言えることだが、自ら請求しないと支給されないことが多い(年金が良い例)。
とは言え、同日得喪などは中々一般の方には気づかない事例だ。身近なファイナンシャルプランナー に相談いただければ、お役に立てることも多いと考えます。

                               CFP 前川敏郎

「金融サービス仲介業」が 新設 される!?

本稿は2020年9月初旬に起稿しております。世は日本も米国もそのトップを誰にするかでニュースが埋まっていますが、最近のニュースで私が興味を持った記事はオマハの賢人ウォーレン・バフェット氏が最近日本の5大商社株を一気に5社とも5%まで購入したというニュースでした。このところ株式関連ニュースではGAFAと呼ばれるIT関連銘柄ばかりが取り上げられてきましたが、賢人は冷静に割安銘柄を選び、国際分散投資も実践しているのが心強く思われたのです。

 さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回のテーマは「金融サービス仲介業が新設される!?」です。?としたのは、実は金融商品の販売にあたっては既に「金融商品の販売に関する法律」(金融商品販売法)があったからです。それなのに本年6月5日に「金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律」が国会において成立し、同12日に公布された(施行は2021年秋頃と目されている。)のは、それなりの理由・背景があったからです。

法律改正の背景 ――銀行・証券・保険等の業態ごとであった日本の縦割り行政・規制

 預金・ローンなら銀行等へ行き、投資信託・株式関係は証券会社に行き、保険となると保険会社に連絡して外交員に来てもらう。長年縦割り・業態ごとの体制に慣れてきた多くの生活者は当然のことと感じているかもしれないが、就労や世帯の状況が多様化してきており、平日は銀行・証券会社へ行くことなど出来ない人々も多くいる。また、情報通信技術の進展によりパソコン・スマホがあれば店舗に行かなくても振り込みや投資信託等の売買当が出来るようになってきている。分野が異なる様々な金融商品をスマホのアプリを使って“ワンストップ”で購入・売却できるようにすれば、生活者の利便性は向上する。このようなニーズに対応するのが今回の法律改正の 背景 と言えます。

「金融サービス仲介業」は何が出来るのか

 「金融サービス仲介業」とは、「預金等媒介業務」「保険媒介業務」「有価証券等媒介業務」 「貸金業貸付媒介業務」のいずれかを業として行うこと。(金融サービスの提供に関する法律11条)

金融サービス仲介業とはこれまでの銀行・証券・保険等の業態ごとの縦割りだった既存の仲介業(保険募集人・金融商品仲介業・銀行代理業)と異なり、1つの登録で銀行・証券・保険すべての分野のサービスを仲介可能な者・業者。ワンストップサービスに最適化した仲介業。

 しかし、「金融サービス仲介業」の業務として認められるのはあくまでも取引の「媒介」であって、本人の「代理」までは認められていません。

 生活者は当然本人1人です。これまで銀行・証券・保険等商品・業態ごとに相手を変え・交渉してきたことを思うと、信頼できる業者・人さえ見つかればその人・業者を通じてほとんど全ての商品が取引出来る、これは本当に便利なことではないでしょうか?

改正された新たな生活者保護のための規制

 これまで金融商品仲介業者は証券会社や銀行に所属し、トラブルについての損害賠償請求は所属の金融機関に対して行うものとされていました。今回この「所属性」も無くなったため、代わりに新たな規制が取り入れられ利用者・生活者保護が図られています。

 下記保証金の提供義務で示された金額からも分かるように「金融サービス仲介業」のうち投資助言・代理業のみを扱うにしても5百万円の保証金を提供しなければならず、実際の仲介業者は個人というよりは投資助言サービス業者・生損保保険代理店・金融商品仲介業者等が主体になると推測されます。

 取扱商品の制限(高度な説明を要するサービスの制限)

  銀 行 証 券 保 険
取扱可能 普通預金、住宅ローン 国債、上場株、 投資信託 傷害、旅行、ゴルフ
取扱不可 仕組預金 非上場株式 変額、外貨建て

                      (金融庁説明資料より抜粋)

 保証金の提供義務

  こちらも所属性の廃止にともなう仲介業者の賠償資力の確保策といえます。

 (参考資料)想定される保証金供託額の目安

保険仲介人 2千万~8億円
少額短期保険業 1千万円~
投資助言・代理業 5百万円

                        (金融庁説明資料より抜粋)

 その他の主な仲介業の義務

「顧客から求められた時には仲介業者が受け取る手数料・報酬を開示する義務」

 これは仲介業者が顧客または金融機関のどちらの立場に立ってサービスを提供しているかの 判断材料になるもの。顧客の納得できるビジネスモデルを作ることが大切になる。

「金融サービス仲介業」で何が出来るのか?

 これから始まる業態であるので飽くまでも推測だが考えられる業務を推測すると・・     例えばスマートフォンのアプリケーションを使い、生活者自身の口座残高や入出金を確認すると共に、そのサービスを通じて得た生活者の資金ニーズや資産状況を基にして利用可能な融資の紹介、各人のライフプランに適した金融サービスの比較・推奨を行う等日常生活上の金融取引ニーズに応える業務。

 例えば、不動産会社等の非金融機関が資格を取得し、物件販売と同時に住宅ローンや地震保険を仲介する業務等特に金融機関以外の会社の金融サービス業への参入の動きは今後更に活発になると推測されます。

最後に

法の施行まではまだ約1年ありますので、今後各社による研究が進むものと思われます。我々生活者も日々アンテナを高くして、大きな見出しの記事だけでなく、この仲介業の新設のような関連ニュースを追ってゆく姿勢が大切だと思われます。

                             CFP 重田 勉

今話題の「マイナポイント」と「プレミアム商品券」の申し込みについて

「マイナポイント」

2019年10月、消費税が10%に増税されたときにキャシュレス決済事業者などがいったん消費者にポイントを付与し、その負担分を後から国が補助する「キャッシュレス・ポイント還元事業」が2019/10/1~2020/6/30で終了しました。コンビニで買ったレシートからたとえ数円でも▲の数字を見ると得した気分で嬉しかった気がします。

さて終わってしまった「事業」の代わりはないのでしょうか?
それが9/1始まる「マイナポイント事業」です。今、舘ひろしが着ぐるみでCMをしていますね!

これは、マイナポイントを予約・申し込みの上、キャッシュレス決済サービスで2万円のチャージ、またはお買い物を期間内にした人へ5000円相当のポイントを付与するという事業です。

これも期限付きで2020/9/1~2021/3/31ですのでぜひやってみましょう。

スマホでも申請できます!

https://mynumbercard.point.soumu.go.jp/?utm_source=yahoo_sem&utm_medium=cpc&utm_content=point_2&utm_campaign=point

上記の総務省のサイトへジャンプすると、動画でわかりやすく説明があります。

①マイナンバーカードの取得

まずは、マイナンバーカードが必要ですので、まだ取得していない方は申請しましょう。自治体にもよりますが、取得までおよそ1か月かかるようです。

②マイナポイント予約&申し込み

スマホにアプリを取り込みます。「マイナポイント」で検索するとうさぎのキャラクターがでてきます。

            ↓

    マイナポイントの予約(マイキーIDの発行)

            ↓

 暗証番号を入力、マイナンバーカードにスマホを重ねて読み取らせる

この読み取りが難しく、私はかなりの時間を費やしてしまいました。コツはテーブルにカードとスマホを置いてやること!

(通常QRコード読み取りはスマホとQRに隙間があっても読み取ってくれるが、マイナンバーカードとスマホは重ねます!)

次にマイナポイントの申し込み(決済サービスを選択する)

決済サービスには電子マネー(44)、クレジットカード(24)、プリペイドカード(23)、 QRコード決済(16)、デビットカード(4)などがあります。

その中にはキャンペーンを実施し、500~2000円相当事業者が上乗せするところもあります。

例えばWAON、ゆうちょPayは 2000円相当。  auPAYやSuicaは1000円相当。
nanacoは500円相当。   PayPayは抽選で最大100万円相当・・・・

他にもいろいろキャンペーンがありますので、よく考えて登録しましょう。これは一度登録すると変更はききません。

私もすごく迷いましたが、クレジットカードをよく利用しているので結局一番使うエポスカードにしました。2万円チャージして普段使わないのに無理に使うよりは、使った分にポイントを上乗せしてくれるので十分と考えたからです。

あとは期間内でチャージしたり、お買い物をしたりしてポイント還元してもらいましょう。

「プレミアム商品券」

神奈川県では新型コロナウイルスの影響に苦しむ地域経済へのカンフル剤として、7/28現在11自治体が「プレミアム商品券」を発行しています。

ちなみに海老名市では「元気いっぱい!!えびーにゃ商品券」を発行しています。

https://www.city.ebina.kanagawa.jp/guide/shoko/shokougyo/1011146.html

残念ながら1次販売の購入申し込みは7/27で終了していますが、2次販売がある場合はHPでお知らせがあるようです。こういうお得情報は自分から取りにいかないといけないので常にアンテナを張っておきましょう。良かった点は小型店でコロッケ2個でも買える200円券も含めたところです。予定した28万冊を上回り、増刷したようです。

皆さんも、お住まいの自治体のプレミアム商品券を探してみて下さい。

                         CFP  佐藤 広子

「65歳になったら」 ~介護保険料について~

65歳になったら、次々に書類が届きます。公的年金の請求はがき、高齢者肺炎球菌予防接種券、公的介護保険証等々です。公的年金は待ちに待ったいただくお金です。公的介護保険証はあなたが第1号被保険者となったということです。介護サービスを利用する時には必要ですので大切に保管しましょう。公的介護保険料の決定通知書も届きます。これは、出ていくお金です。65歳前後まで会社員としてお勤めされているまたはいた方は特にその額に驚かれると思います。結構な金額です。誕生日から3月末(年度末)までの分です。会社員もこれからはお住いの自治体へ半分(今までは勤務先の事業所と折半)ではなく、公的介護保険料の全額を自分で直接に納付しなければなりません。扶養されている会社員の妻(夫)も65歳になったらこれからは自分の分を自分で納めなければいけません。年間18万円以上年金を受給している場合には、基本的に特別徴収(天引き)での支払いになります。

それではその出ていくお金の「公的介護保険料」にスポットをあててみましょう。以下、文中では「公的介護保険料」を「介護保険料」と表示します。

 介護保険制度

 日本は高齢化が進み寝たきりや認知症などの介護を必要とする高齢者が増加して、将来、社会保障費の財政がひっ迫すると予想されています。また、高齢者を家族だけで介護することが困難な時代を迎え、皆で支えあう意味からも介護保険制度が制定されました。近い将来確実にやってくる「超高齢化社会」に備えての制度です。介護保険法は2000年に施行されてから20年が経過しました。当初(全国平均2911円会社員は半額の1500円)はこのくらいの保険料ならと余裕でこの制度を受け入れたことを記憶しています。

                  (出所)厚生労働省ホームページの資料を基に筆者作成

図①をご覧ください。2018年には全国平均の介護保険料は5869円と約2倍になりました。その間、給料が2~3倍になったとすれば、保険料はそれなりの金額となったことでしょう。2000年の介護給付(総費用額)3.6兆円は2018年には11.1兆円(2018年)と3倍以上(図①の赤枠)に上昇しました。

 総費用額11.1兆円の財源

 図②をご覧ください。介護給付(総費用額)は税金と介護保険料で半分ずつ負担します。つまり、半分を私達が介護保険料として納付します。

 現役世代の第2号被保険者(図②桃色)である会社員の介護保険料は標準報酬月額表の等級により決まります。健康保険料とともに天引きされますが、加入している健康保険で異なります。今年(2020年)4月納付から介護保険料率が上がったことをご存じですか?給料天引きではなかなか気づきませんよね。自営業の場合は国民健康保険料に上乗せして納付します。こちらは自治体によっても、個人の収入でも異なります。

 65歳以上の保険料の計算は自治体ごとに決められています。各自治体は、3年ごとに介護サービスに必要な給付額の見込みを立て、予算を組みます。その予算の23%(図②緑色)を65歳以上の人が納めています。その額をその自治体に住んでいる65歳以上の人の数で割ったものが、保険料基準額です。しかし、全員一律でこの基準額にすると、収入によっては負担が大きくなってしまいます。そのため、所得段階に分けて、それぞれの保険料率を掛け合わせ、保険料を決めます。所得段階は国の方針だと9段階ですが、自治体によってはもっと細かい区分を使用しているところもあります。介護保険通知書(前述)にはお住いの基準額表示の区分表が同封されています。ご確認ください。

 介護保険サービスの利用

 まず、お住まい(住民票のある)の市区町村の窓口で要介護認定(要支援認定を含む)の申請をします。介護保険証(64歳以下の方は健康保険証)を必ずお持ちください。次に市区町村の職員などの訪問を受ける聞き取り調査(認定調査)と かかりつけのお医者さんの心身の状況について意見書(主治医意見書)が作成されます。

その後、認定調査結果や主治医意見書に基づくコンピュータによる一次判定及び、一次判定結果や主治医意見書に基づく介護認定審査会による二次判定を経て、市区町村が要介護度を決定します。

 介護保険では、要介護度に応じて受けられるサービスが決まっていますので、自分の要介護度が判定された後は、自分が「どんな介護サービスを受けるか」「どういった事業所を選ぶか」についてサービス計画書(ケアプラン)を作成し、それに基づきサービスの利用が始まります。

(出所)内閣府ホームページの資料を基に筆者作成

 認定状況をみると2016年、65歳以上の介護サービス利用者は第1号被保険者の18%を占めています。5人に1人は利用している状況です。図③のように、それを75歳で区切ると75歳以上の要介護者等の割合が大きくなっています。団塊の世代が75歳以上となる2025年以降はさらなる増加が見込まれます。

 私達は保険料を納付していますので、介護サービスを割安で利用できます。利用上限額は、要支援要介護度で決まっています。そして図④のように、利用者負担割合は所得で異なります。介護保険は老後に備えるためだけではありません。40歳からでも利用は可能です。ただし、第2号被保険者(40~64歳)の利用には条件があります。要介護状態になった原因が厚生労働省が定める16種類の特定疾病(ブログ文末に記載)である場合です。

 介護サービスの負担額が心配になりますが、負担額には上限が設けられています。高額介護サービス費支給制度です。介護サービスを利用する場合にお支払いいただく利用者負担に月々の負担の上限額が設定され、1ヵ月に支払った利用者負担の合計が高額介護サービス費の上限を超えたときは、超えた分が払い戻される制度です。個人の所得や世帯の所得に対して異なりますが、最高の負担額は世帯で月単位44000円です。さらに年単位の高額介護療養費制度もあります。介護資金に余裕のある方は、自己負担で介護保険外サービスも受けることができます。

まとめ

 介護保険の財源から少子化・高齢化がこの介護保険制度にも多大な影響を及ぼしているということがわかります。毎回同じこと述べますが

  • 出生数を上げる
  • 健康寿命を延ばす
  • 男女ともできる限り長く働く

この3点が介護保険も含めた社会保険制度の破綻を防ぐための対策です。まわりまわって個人の介護保険料に反映されてきます。

さて、介護保険制度は3年に1度の改正で変化しています。

直近の2018年の主な改正は

  • 自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化
  • 一定以上の所得者に対して自己負担を3割へ引上げ(図④の赤円)
  • 医療・介護の連携推進「介護医療院」の創設
  • 「共生型サービス」の実施
  • 介護納付金における総報酬割の導入            

でした

 次回の改正は来年の2021年の予定です。制度施行後は数回の改正が実施され、内容は徐々に利用者を施設から在宅復帰へ、権限が国から自治体へと変化しています。2025年問題(団塊の世代が75歳以上となる)は、もう目の前に迫ってきています。今年は新型肺炎コロナウイルスが蔓延し、未曽有の社会生活を余儀なくされました。この現実を踏まえて「新しい生活様式」に沿ったどのような政策がとりこまれてくるのでしょうか?今春、介護事業所経営の友人が大変苦労して、営業を続けたと聞いています。今後、介護保険制度がどのような改正を行うのか、そして保険料はまた上がるのか?注目しましょう。

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2020年7月

                            CFP 楠本智子

資料:16種類の特定疾病(厚生労働省ホームページから)

1.がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る) 2.関節リウマチ 3.筋萎縮性側索硬化症 4.後縦靭帯骨化症 5.骨折を伴う骨粗鬆症 6.初老期における認知症 7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病【パーキンソン病関連疾患】 8.脊髄小脳変性症  9.脊柱管狭窄症  10.早老症 11.多系統萎縮症  12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症  13.脳血管疾患  14.閉塞性動脈硬化症  15.慢性閉塞性肺疾患  16.両側の膝関節または股関節の著しい変形を伴う変形性関節症